【3.11の今】 全村避難の夫婦の今
現在、伊那市東春近で暮らしている小泉孝一さん・百合子さんは、13年前、昔からの憧れだった田舎暮らしの夢を叶えるため、福島県葛尾村に引っ越しました。 葛尾村は、人口1,500人ほどで、山々に囲まれた自然豊かな環境にあります。 およそ5,000坪の家の敷地には、2人で作った露天風呂、ピザを焼く窯、花畑のような庭、池などがあり、1年を通して友人達が遊びに来ていました。 2人の1番の楽しみは、ガーデニングです。 毎日手入れをして、庭を数えきれないほどの花でいっぱいにしました。 周囲の人とも打ち解け、楽しい毎日を送っていた3年前。 東日本大震災が発生。 住んでいた葛尾村は最大震度5強を観測しました。 葛尾村は、福島第一原発から30キロ圏内にあり、「避難指示解除準備区域」に指定されました。 地震が発生した次の日、「村民は全員役場に避難」との指示があり、小泉さん夫妻は1日分の服とペットを抱えて避難しました。 福島県と長野県の5カ所の施設を転々とした避難生活は、およそ1年続きました。 葛尾村は、全村民が避難を余儀なくされていて、住むことは認められていません。 小泉さんの自宅周辺は、去年の8月に1カ月かけて除染作業が行われました。 花でいっぱいだった家・・・ 今は何もありません。 小泉さん夫妻が、また葛尾村でガーデニングを楽しめる日は来るのでしょうか。