高遠石工守屋家三代の作品展示会
高遠石工の第一人者として高く評価されている守屋貞治と祖父、父の三代にわたる作品を納めた写真展が29日まで、伊那市の伊那図書館で開かれています。 会場には、貞治の祖父貞七と、父親の孫兵衛、貞治本人の作品を納めた写真およそ40点が展示されています。 江戸城の石垣は高遠石工が作ったとの記録が残っていて、芸術的で高度な作品を生み出していたとされています。 守屋貞治は、その高遠石工の第一人者として評価されています。 写真展は、守屋家が作った作品について広く知ってもらおうと上伊那郷土研究会が開きました。 こちらは、中川村で見つかったとされる貞治の作品「青面金剛像」です。 貞治が残した細工帳には記載されていないということですが、像のまわりの舟形が貞治の作品に似ていることから、研究会では「川の氾濫で流された祖父貞七の作品の変わりに貞治が無償で作ったのではないか」と推察しています。 29日は、守屋家の作品に関する講演会が開かれ、伊那市文化財審議委員会の竹入弘元委員長と、駒ヶ根市立博物館の田中清文専門調査員が話をしました。 竹入さんは残されている資料から「当時石工がもらっていた給与について」話しました。 田中さんは、親子3代の作品の違いについて「貞七と孫兵衛の作品を比べると、貞七は顔の奥行きが広く、目は上まぶただけで表現している。それに対し、孫兵衛は顔の横幅が広く、目は上下のまぶたで表している。貞治が最初に作ったとされる作品は、父孫兵衛のものに似ていることから、貞治は父親から技術を教わったのではないか」と話していました。 展示は、29日まで、伊那図書館1階ギャラリーで開かれています。