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南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑧

無事故35年 南アルプス林道バスの守人たち

南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑧

南アルプスの登山口、北沢峠まで続く林道バスの安全を日々、守っている人たちがいます。 午前6時。伊那市長谷黒河内にある、伊那市営南アルプス林道バス営業所。パトロール員の西村福雄さんの1日が始まります。 大きな落石を道路脇によせる西村さん。「こんなのまだ楽だよ」と話します。 林道沿いは地盤が緩いため、雪解けの時期や大雨の後は、落石が多くみられます。毎朝、バスが通る前に、林道を整備するのが西村さんの仕事です。 数メートル進んでは車を停め、落ちている石などを片付けます。バスで行けば40分ほどの歌宿まで、西村さんは1時間半ほどかけて行きます。  南アルプス林道バスは、4月下旬から11月までの登山シーズン中に運行が行われています。シーズン中の利用者は平均して4万6千人。この間、職員10人がバスの運行に携わっています。林道は、自然保護のためのマイカー規制がされています。  南アルプス林道バスは昭和55年、1980年に林道の開通と共に開業しました。これまでにバスの事故は1度も起きていません。 開業当時から運転手をつとめている人もいます。西村茂さん65歳。30歳の時から運転手をしています。毎朝、運行前にバスの安全点検をします。 安全点検と点呼を終えると、登山者を乗せて、標高1680mの歌宿を目指します。 途中バスを停め、石灰岩の岩壁に咲くシナノコザクラを乗客に紹介します。「バスに乗るだけでなく、いろんな事が知れたと言われるのがうれしい」と西村さんは話していました。 パトロールを終えた西村福雄さん「お客さんにきれいな林道だねと言ってもらえる感動がひとつの楽しみ」と話します。 南アルプス林道バスを守る人たち。 林道を愛する思いが、無事故の歴史を築きあげています。

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