河野實さん講演会
愛と死をみつめての作者

小説「愛と死をみつめて」の作者で伊那市東春近出身のフリージャーナリスト河野實さんの講演会が14日、伊那市の伊那商工会館で開かれました。 講演会は、伊那商工会議所と伊那異業種交流研究会が開いたものです。 「愛と死をみつめて」は、大学生だった河野さんと、21歳でこの世を去った大島みち子さんとの3年間の文通のやりとりを書籍化したもので、昭和38年に出版され160万部の売り上げを記録するベストセラーとなりました。 講演では、「ミコとの別れから50年」と題し、河野さんがのちの人生をどのように生きたかを話しました。 河野さんは「大学在学中に初めて出版した本がミリオンセラーとなったことで、他の小説家から罵られた。早く世に出たら損という概念が世の中にあり、就職活動もうまくいかなかった」と当時の苦悩を語りました。 記者となった後については「外国で異質な文化を学んだことで自分の価値観を高めることができた」と話していました。