高遠石工について学ぶ
石仏鑑賞会
高遠石工がつくった作品に触れその歴史や功績を学ぶ石仏鑑賞会が14日、伊那市高遠町などで開かれました。 これは江戸時代に全国で活躍した高遠石工について学ぼうと伊那市教育委員会が開いたものでおよそ40人が参加しました。 鑑賞会では高遠石工研究家の北原多喜夫さんが講師を務め伊那市高遠町や長谷の寺に残されている作品の説明をしました。 このうち高遠町の石仏の寺として知られる建福寺には高遠石工の中でも腕がよかったといわれている守屋貞治とその弟子の渋谷藤兵衛の作品が残されています。 門前の石段の向かって左が貞治の延命地蔵大菩薩、右が藤兵衛の楊柳観世音菩薩像でこの2体は伊那市有形文化財に指定されています。 貞治は1765年明和2年、高遠町長藤塩供で生まれ、その生涯で336体の石仏をつくったといわれています。 貞治の延命地蔵は1800年代、初期のもので端正で繊細なつくりが特徴です。 藤兵衛は1784年天明4年生まれといわれています。伊那市美篶下川手出身で貞治の弟子となりました。 楊柳観世音菩薩は1849年嘉永2年の作品といわれていて師匠の貞治と作風が似たものとなっています。 鑑賞会では石仏が残されている高遠町と長谷の寺を巡り高遠石工の歴史やその偉業について理解を深めていました。