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5人坊主大島農園、大島太郎さん

無農薬でおいしい野菜を

5人坊主大島農園、大島太郎さん

 「1回買ってくれた人が『おいしかった』と、もう1度買いに来てくれる。そのうち定期購買者になってくれる。それが1番うれしい」
 今年4月から耕作放棄した畑約2ヘクタールを借り、本格的に無農薬野菜を生産、販売に取り組む。
 1974年中川村生まれ、信州大学農学部卒業後、京都で生ごみリサイクルを研究した。「大学在学中から農業に関心が高かった。リサイクルたい肥で土壌改良し、増収、味も良くなったという実績に触れ、農業は面白いと感じた。すぐにも就農したかったが、自分で野菜を栽培した経験もなく、技術的にも経営面でも、先駆的農家での勉強が必要」と、北海道の有機農業を営む農家で1年間研修「大型機械を使った合理的な生産方法を学んだ」。
 続いて、愛媛県で柑橘類や野菜を栽培する農業法人に研修1年、職員として3年間勤務した。「80軒の農家で構成。ミカンの価格低迷が続く中、無農薬、有機栽培、販売ルートの開拓などで、少しでも高く販売しようと努力していた。農業法人の草分け的存在だったが、必ずしも順調でなく、気候や台風の襲来、カメ虫の発生と困難もあった」と振り返る。
 「農業は天候に左右される、難しいからやりがいがある」と実感し、今年3月、「5人坊主、大島農園」として独立した。
 愛称の「5人坊主」とは、片桐から春先に望む中央アルプスの雪形「5人坊主」をさし、人々に親しまれ、利用されるようにと願いを込めた。家族4人で始めた野菜栽培だが、友人2人が手伝いに駈け付け、6人で栽培する。
 栽培品目は春はキャベツ、レタス、ハクサイ、ホウレンソウと葉物が中心。夏はトウモロコシ、エダマメ、ジャガイモ、トマト、ナス、秋はサツマイモ、サトイモ、キャベツ、ニンジン、レタスなど50品目以上の季節の野菜を栽培する。販売は単品やセットで、村内のたじまファーム、望岳荘売店のほか、東京、大阪、名古屋に直送する。消費者からの評判は「エダマメは味が濃く、すごくおいしい」「トウモロコシは鮮度が良く、甘い」と上々。「リピターが多く、率直に意見も言ってくれることがうれしい」。
 料理が趣味でなんでも作る。野菜料理が得意で野菜いため、野菜煮こみなど「食べて見て、自分で作った野菜はおいしいと感ずる。肥料を最低限に押さえた野菜は、えぐみがなく、ホウレンソウでもニンジンでも土を払ってそのまま食べられる」と自信をのぞかせる。
 「農薬や化学肥料を使わない栽培法は、病虫害や雑草にやられ、収量は落ち、経営的には未だ安定していない。しかし、それぞれの野菜が健康に育つ条件が整えば、農薬などは使わなくても、できるものだという手応えを感じてきた。技術的はまだまだ未熟。先人から、野菜から、土から学びながら、少しでも良い物を栽培したい」と話す。
 大島農園(TEL88・2404)両親と叔父の4人暮らし(大口国江)

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