保谷沢の城跡にタカトオコヒガンザクラ
所有の伊藤さん「地域の名所に」
戦国時代の高遠城の守りを担う城といわれている伊那市東春近田原の保谷沢の城跡に今年春タカトオコヒガンザクラの苗木が植えられました。 城跡を所有している伊藤一路さんはこの場所と歴史を知ってもらうきっかけになればと花が咲くのを心待ちにしています。 伊那市東春近田原のりんご農家伊藤一路さん。 所有している農地の中に戦国時代につくられたとされている保谷沢の城の跡があります。 伊藤さんは地域に残る歴史を知ってもらおうとこの場所を開放しています。 今年の春には高遠城址公園と同じタカトオコヒガンザクラの苗木を植えました。
急峻な崖が敵の侵入防ぐ
保谷沢の城は保谷沢川の北側にそびえる山の上にあったとされています。 標高は664メートル。 集落からはおよそ65メートル登った位置になります。 保谷沢の城があったとされる場所は平に切り開かれていて周りの急峻な崖が敵の侵入をさまたげていたものと思われます。
情報伝達の拠点の城
この城の城主や歴史などは分かっていませんが、専門家は その立地などから敵が攻めてきたことなどを狼煙で知らせる 情報伝達の拠点になっていたのではないかと推測しています。 伊那市文化財審議委員の久保村覚人さんも、城の規模などから、 ここで戦が行われた可能性は低いと考えています。
タカトオコヒガンザクラの開花 心待ち
高遠城にいち早く敵の襲来を告げ情報伝達の拠点に位置づけられていたとされる、保谷沢の城。 この場所に多くの人に関心をもってもらいたいと考える伊藤さんは高遠城址公園と同じタカトオコヒガンザクラが咲くのを心待ちにしています。 伊藤さんは保谷沢の城跡を訪れた人にその役割や歴史的背景などを知ってもらうため、概要をまとめた看板を設置できればと話しています。