師走の風物誌
ザザ虫漁始まる
伊那谷の冬の風物詩ザザ虫漁が1日、天竜川水系で始まった。
伊那市東春近の春近大橋上流の河原では、市内中央区の中村和美さん(78)が早朝から今シーズン初めてのザザ虫取り。鉄製カンジキをつけた足で川底の石をていねいに裏返すと、手で繰った四つ手網に面白いようにザザ虫が集まった。
25年間ザザ虫漁を続ける中村さんによれば、05年は、台風で川が荒れた04年に比して、まあまあの状況。それでも豊漁の年に比べれば、50%位の収穫量だろうと予測する。
トビゲラ、カワゲラ、ヘビトンボの幼虫が主な対象だが、天竜川ではバブル経済期あたりからトビゲラが主流になっているという。
シーズンは2月末まで。冷たい天竜の河原にザザ虫を追う人の姿を見るようになると、伊那谷は間もなく長い冬に包まれる。