しあわせ信州移動知事室 2日目は各種団体と懇談
「しあわせ信州移動知事室」2日目の14日、阿部守一長野県知事は、伊那小学校でのあいさつ運動を皮切りに、各種団体関係者と懇談しました。 朝7時半、阿部知事は伊那小学校の校門に立ち、登校する児童に「おはよう」と声をかけたり、握手をするなどしました。 これは、大人から挨拶をする事で子供達の健全育成につなげようと県が今年度から進めている「信州あいさつ運動」の一環です。 上伊那では小中学校で教諭やPTAを中心に行われているという事です。 ある児童は、「初めて阿部知事にあいました。テレビで見るより大きくてびっくりしました」と話していました。
午前8時40分からは、上伊那広域連合議会と南信州広域連合議会でつくる行政問題研究会からのリニア開通を見据えた地域振興や行政機能強化の要望を聞きました。 林幸次飯田市議会議長など7人が伊那合同庁舎を訪れ、阿部知事に提案書を手渡しました。 議員からは「人や財政的な支援と共に、地域の意見を尊重し進めてもらいたい」と話ました。 阿部知事は、「道路建設だけでも数百億円と重点投資となる見込み。具体的なルートを決める際には協力頂きたい」と答えていました。
このあと阿部知事は、駒ヶ根市のおひさま助産所に移動しました。 上伊那助産師会は出産後の母子ケアに対する支援を求めました。 上伊那助産師会の鹿野恵美会長は、上伊那には助産所が10か所あり、そのうち6か所が出産を扱っていて、上伊那の出産のおよそ5%を受け入れている。県の平均が1から2%で上伊那の割合は非常に高いと説明しました。 阿部知事は、助産所の利用者からも要望などを聞きました。 上伊那助産師会では、県全域で産後ケアに関する支援を求める要望をしました。
午後には農業施設や製造業の現場を視察しました。 まず、上伊那が全国一の生産量を誇るアルストロメリアの栽培施設を視察しました。 阿部知事が訪れたのは、伊那市東春近の酒井弘道さんのハウスです。 ハウスでは花の種類や生産量、出荷に使用する上伊那独自の箱の特徴について説明を受けました。 知事は、上伊那がアルストロメリアの生産で全国一位である事を聞くと、「まだまだ、消費者にはそのイメージが定着していない。寒い信州でもこれだけ花卉栽培が盛んである事を発信していきたい」と話していました。
次に、伊那市西箕輪で金属表面処理加工業をしているサン工業の工場を視察しました。 工場では、メッキ処理方法や、全国で唯一認められた、医療機器に使われているメッキ技術が紹介されました。 サン工業の川上健夫社長は、「上伊那のものづくりは、技術については全国でもトップクラスになってきた。それを売り込むことができない」と話していました。 これに対し阿部知事は、「上伊那だけではなく、県全体の製造業の売り込みを県としても協力していきたい」と答えていました。 明日は、建設業の女性技術者との対話や上伊那8市町村長との意見交換などを行う予定です。