南ア世界自然遺産「可能性認められない」
環境省の業務報告書で結論
伊那市を含む関係10市町村が、世界自然遺産登録を目指してきた南アルプスですが、環境省は、4日、「世界遺産としての可能性は認められなかった」との結論を発表しました。 環境省がきのう公表した自然遺産登録候補地の調査検討業務報告書によると、候補地となっていた5地域のうち、「阿寒・屈斜路・摩周」「日高山脈」「南アルプス」については、「世界遺産としての可能性は認められなかった」と結論づけました。 理由としては、「生物多様性保全、景観の美しさ、環境の機能、地学を含めた重要な特性や価値を持っているが、専門家でない人々にとって、印象的で、理解しやすく、明白なものでなくてはならず、これらの地域は、この点が異なっている」としています。 伊那市を含む長野、山梨、静岡の関係10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会が、南アルプスの登録に向け、2007年から活動してきました。 報告書の公表を受けて、白鳥孝伊那市長は次のように話しています。 伊那市では、「世界遺産の可能性がゼロになったと思っていない。南アを活用した地域振興策や、環境保護などの取り組みが今後も変わることはない」としています。 10市町村の推進協議会の総会は毎年、5月頃開かれていて、その場で、今後の方向性について話し合うものとみられます。