東日本大震災から4年 3.11の今⑩ 循環の輪復活を
南箕輪村南原の原富男さん。 3月5日、福島県郡山市にある社会福祉法人にんじん舎をめざします。 にんじん舎では、障害者の共同作業所として、会津地鶏を育て、卵をとり、糞は醗酵させ肥料にする循環のサイクルができあがっていました。 しかし、震災による福島第一原発事故により、その鶏糞から放射能が検出されたため、鶏糞は行き場所を失ってしまったのです。 そこで白羽の矢がたったのはチェルノブイリ原発事故で汚染された土壌を浄化するバイオガスの技術でした。 原さんは、去年にんじん舎の鶏舎脇にバイオガスプラントを建設しました。 さらに今回は、そのガスを使って発電させようというのです。 プラントにガス発電を組み込むのは原さんにとってはじめてのチャレンジ。不安もあります。 翌日6日、施設利用者にあたたかく迎えられた原さん。さっそく鶏舎脇のプラントへ向かいます。 ガスのホースを発電機に入れて回します。 ガソリンを切り、ガスに切り替えます。 うまくいきません。 送りこむガスの量を変えながら試行錯誤を繰り返します。 音が変わってきました。 10分以上たっても止まりません。 ライトもついています。 成功です。 バイオガスだけで発電機は動き続けています。 放射能が含まれた鶏糞をプラントに入れることで、ガスと電気を生み、放射能が取り除かれた液肥は、再び畑に帰っていくという循環のサイクルが復活したのです。 伊那のバイオガスとウクライナの技術が今フクシマで稼働し始めています。 放射能に負けずに戦う人たちがフクシマにはいます。