押手沢の砂防を事業化
大雨が降れば土石流発生の危険性が高い宮田村南割区の押手沢について、県が事業採択し、新たなえん提を設けるなど砂防事業に乗り出すことが分かった。県伊那建設事務所は6日夜に地元説明会を開き、事業内容や今後の日程などを公表。地権者の同意を得てから、早急に測量調査に着手する。
押手沢は1961(昭和36)年の36災害のほか、たびたび災害が発生。県は92年に砂防えん堤を設置したが、99年の豪雨で満砂の状態になっていた。
県の計画によると、現在あるえん堤の砂を取り除くほか、その約100メートルほど上流に新たなえん堤も設ける。
また、流域2カ所の山腹崩落地も改修。河床の侵食対策も施すなど、「堆積を防ぎ、土砂を健全な状態で流下させる」と説明した。
昨年の住民説明会で県は財政難などから事業化に難色を示したが、その後の調査などで大規模な土石流が発生した場合に最大で30戸に被害が及ぶと予測。本年度事業採択し、基本計画を策定した。
今後測量、ボーリング調査、用地買収を経て来年度に着工。説明会では出席者から「出来る限り早く完成させてほしい」と要望も挙がった。