水質改善しつつある
「天竜川水系健康診断」結果報告会
諏訪湖流入河川と天竜川の本・支流の水質調査をした「天竜川水系健康診断」の結果報告会が8日、伊那市の市駅前ビルいなっせであった。
本年で9回目となる健康診断は、民間企業主体でつくるリサイクルシステム研究会などが、9月1日に流域49ヵ所で調査。結果を分析した沖野外輝夫信州大学名誉教授は「活動の成果が出ている」と、天竜川の水質が年々改善しつつあると報告した。
汚染の総合指標となるCOD(化学的酸素消費量)は、諏訪湖の影響がある釜口水門と新樋橋を除くと、南宮大橋の3・62ppmを最大にして、他の地点は2以下と、きわめて清浄な結果。農耕地からの肥料流出の指標となる窒素は良いレベルで安定し、排水の指標となるリンは安全圏内の数値となった。
天竜川支流については「一部の支流でリンの数値が時間帯によって変る地点がある」とし、今後も注意しながら継続的な水質浄化の取り組みが必要と訴えた。
健康診断は10回を目途に結果をまとめる。沖野名誉教授は「土地利用の変化と照らし合わせ、開発に何を気をつけなければいけないか将来的な展望を提案できれば」とした。