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第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【上】

【出席者】■福沢芳史さん(52)/御菓子処ふくざわ ■斉藤千枝子さん(57)/菓子処斉藤 ■吉瀬徳重さん(57)/駒ヶ根商工会議所事務局長 ■佐藤初枝さん(54)/長野県上伊那農業改良普及センター駒ヶ根支所長 □司会:毛賀沢明宏

第6回<br>駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり<br>~3年目の現状~ 【上】

 地元食材を地元で消費する「地産地消」の発想が社会的に注目を集めている。上伊那でもこの視点から各種取組みが開始されている。その中で、駒ヶ根商工会議所が中心となり、地元菓子店やJA上伊那・農業生産者とともに3年前から始めた「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」は、先駆的な例と言えよう。
 特産銘菓づくりをテコにして食品製造・販売業と農業の振興を図り、地域活性化につなげようという試みは3年を経てどうなっているか?現状と課題を関係者に話し合ってもらった。

特産銘菓で産業の連携と振興を

第6回<br>駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり<br>~3年目の現状~ 【上】

司会 駒ヶ根市のお菓子屋さんが中心で進める「地産地消の銘菓づくり」は3年目を迎えました。これにどのように関わって来たか?竏虫ゥ己紹介をかねてお願いします。
福沢 市内小町屋で和菓子屋を営む福沢です。他の菓子屋さんのご事情などもあり、現在、このプロジェクトのリーダーを仰せつかっています。この計画の話があったときから、良いことだなと思い参加しましたが、じつは15年程前から既に、カボチャにこだわり、駒ヶ根の大曽倉のものを利用したパンプキンパイなどを作っていたんです。地元にある、こういう素晴らしい素材を活かすことはとても重要だと常々思っていました。
斉藤 福岡の菓子処斉藤です。和・洋両方の菓子を作っていますが、製造は主人が中心で、私は企画と販売です。何を使ってどんな菓子を作るか、家族会議のような企画会議をして決めています。店の近くにある馬見塚公園にちなんだまんじゅう・最中・ドーナツなどが定番ですが、それに使う小豆竏駐チに大納言という粒の大きな小豆ですね竏秩Aそれに福沢さんも言った大曽倉のカボチャにはこだわっています。あと、水ですよね。中央アルプスの天然水。味が全然違うんですよ。

長野県のチャレンジ枠補助事業として

第6回<br>駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり<br>~3年目の現状~ 【上】

吉瀬 駒ヶ根商工会議所の事務局長です。この取組みは、03年の長野県のチャレンジ枠竏衷、工団体の地域振興事業を対象に補助事業竏窒ノ認定されたのですが、まぁ、その仕掛け人です。「地産地消」を念頭に置き、産業連携をどう図るかをさんざん考えた結果出てきたのがお菓子だったんです。小布施の栗菓子のように新しいブランドになれば良いんですが、まずは、地元の人が食べたり土産にしたりするお菓子を地元産の素材で作る。その中から銘菓が出てくれば良い竏窒ニいうように考えたんです。
佐藤 農業普及センター駒ヶ根支所長の佐藤です。この取組みが始まったのは私の赴任以前になりますが、センターは最初の会合に参加できなかったようで、お手伝いをはじめたのは04年に生産者の方を紹介したあたりからだと思います。地元の食材で特産のお菓子を作る試みは大変意義があると思ってます。
司会 特にどんな点でしょうか?
佐藤 私たちの立場から言うと、農家の方は得てして作物を作って出荷すれば終わりということになりやすい。でも、このような取組みの中では、何をどのように栽培したらお菓子に適しているか、研究心が出てきますよね。自分が商品を出している竏窒ニいう意識がこれからの農家にとってはとても重要なことだと思います。ですからセンターでは、お菓子のほかにも、学校給食や地域の飲食店に地元の農産物を使ってもらえるよう、さまざまな橋渡し役を行ったりもしているんです。

創作菓子主軸から、定番商品への利用へ

第6回<br>駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり<br>~3年目の現状~ 【上】

司会 3年目を迎えたわけですが、取組みの現状はどうなのでしょうか?
吉瀬 駒ヶ根の商工まつりとJA祭が主な発表場所ですが、参加菓子店数と発表商品数は、03年が9店舗16商品、04年が8店舗19商品、05年が4店舗約15商品です。中心になっていたお店の方が健康を崩されたり、さまざまな事情があり、今年参加店舗数が減ってしまったのは残念です。ただ、特産銘菓づくりに熱心な方が多いし、直面している事情が解決すれば、また良い商品を発表していただけると思ってます。
福沢 はじめた当初は、とにかく、地元食材を使ったオリジナルをということが強調されて、それをクリアするのが難しかった。特産きのこを使った菓子に挑戦された方もいたりして、好みによって評価が分かれました。
斉藤 街のお菓子屋ですから、まんじゅうとか最中とか、その店ならではの定番商品があるんですよ。それを作りつづけながら、オリジナルを作るのはやはり大変。発表会の時にだけ出すのなら良いですけど、それでは趣旨に合わないから、創作商品も店頭に並べ続けなければなりませんよね。それは店としてはけっこう体力がいることなんですよね。
吉瀬 いや自分で言うのもなんですがね、最初の企画の投げかけはね、確かにちょっと無理なところがあったんですよ。とにかく、他所にないもの、オリジナルなものを竏窒チていうね。それでも皆さんのご努力で、しだいに地元食材利用の方向性も落ち着いてきた感じがしますね。

地元産農産物の素材としての素晴らしさ

第6回<br>駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり<br>~3年目の現状~ 【上】

司会 実際には何を使ってどのようなお菓子が作られているのですか?
斉藤 うちの場合には、駒ヶ根産の大納言という小豆と大曽倉のカボチャを使った「いとこ万十」「いとこドーナツ」それに駒ヶ根産のそば粉をやもち米を使ったまんじゅうですね。
福沢 駒ヶ根産ブルーベリーを使ったまんじゅう。これ原価が少しかかるんだよね。伊那谷産の和くるみをつかった焼き物。これは全国の菓子のコンクールで金賞をいただきました。ほかに、やはり大曽倉のカボチャを使ったクッキーやパイですね。
吉瀬 今日は参加されていませんが、昭和伊南病院近くの花茶さんは、リンゴやラズベリーを使ったタルト・ロールケーキ・プリンなどを作られています。八十二銀行近くの竹本さんは駒ヶ根産の紅玉リンゴでケーキやパイを作られています。それに牛乳や、さっき斉藤さんが言った水も使われていますね。
佐藤 和菓子のあんになるもの、それにケーキなどに利用できるリンゴやベリーなどのフルーツ、あと、くるみ・もち米・そば……このあたりが素材としては中心になるのでしょうかね?
斉藤 そうですね。何か、ビックリするようなアイデアが出てくれば良いんですけど、日常的にお客さんに買って食べていただけるようなものに使うとなると、そういうあたりになるんですね。それで、おいしいと言っていただければ、他所への土産とか贈答品とかにも利用していただけるようになる。
吉瀬 同感ですね。はじめにお話したように、まず地元産の素材でお菓子を作る。その中から銘菓が生まれてくれば……という考え方ですね。
福沢 素材としては、素晴らしいものがあるんですよ。大曽倉のカボチャの話ばかりで恐縮ですが、味の濃さとホクホクした感じはどこのものにも負けないんじゃないですか?この地区の皆さんにカボチャをお願いするようになって、すぐ春日長男さんというカボチャ作りの先生から「女性のグループが手伝いたいと言っている」と連絡をいただいた。それで、品種を選んで、カボチャ作りの講習から始めたんですよ。
佐藤 農業生産者サイドから見れば、そういう動きが広がっていくことが一番重要だと思いますね。カボチャを丸のまま出していたのでは使い勝手や貯蔵などの問題も出てきますから、例えば、それをペーストに加工したりすることまで農家の皆さんがやる。そうすれば、農家のあり方が変ってくるし、素材の利用方法も広がるのではないでしょうか。
斉藤 ブルーベリーなんかもそうですよね。生のままでは日持ちがしないから、乾かしたりジャムにしたり、手を入れて出していただければありがたい。
福沢 干したものは既に使ってみたけど、なかなかおいしい。でもちょっと高いんだ。1個せいぜい100円位のお菓子の世界だから、原価の問題はかなりシビアですよね。
斉藤 あと、ジャムは保存が利きますけど、農家の皆さんが共同で作っておられるのは、かなり砂糖が入っているんですよね。パンに塗るように作っているのだろうけど、お菓子には甘すぎる。味の調整がしにくくなるんです。そのあたりを、なんとかすれば、利用の方法はもっと広がると思いますね。

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