伊那市松くい虫対策 樹種転換モデル地区指定
伊那市は、拡大する松くい虫被害に対応するため、市内4地区を新たに樹種転換モデル地区として指定しました。 21日は、伊那市役所で松くい虫対策協議会が開かれました。 伊那市の被害量は、平成25年度に比べ、昨年度はやや減少していますが、松枯れが確認された地域は拡大傾向にあります。 枯れた松は破砕・燻蒸処理していて昨年度4200万円の費用が掛かりました。 これ以上被害を拡大させないための対策として、対象とする松林の指定の見直しを行いました。 薬剤散布や樹幹注入をして松林として保全する森林は、おおむね800メートル以下としていたものを900メートル以下に変更し、面積は87ヘクタールから、1466ヘクタールに拡大しました。 また、被害拡大を防止するため樹種転換する森林も、526ヘクタールから1539ヘクタールに拡大しました。 樹種転換を推進する地域としてモデル地区4地区を指定します。 指定されたのは、●手良八ツ手、●美篶笠原~芦沢●高遠町上山田●北福地の4地区です。 モデル地区では、赤松を伐採し広葉樹などを植栽する樹種転換を推進し、着手から5年かけて更新させるとしています。 また他地区よりも事業の補助率をあげ、経費の10分の2を市が補助します。 モデル地区については、委員から、「ますみヶ丘や小沢などでも被害が拡大しているように思う。竜西にもモデル地区を設置してほしい」との意見が出されました。 他に、薬剤の樹幹注入については、「庭木なども含め、市内すべての松を補助対象にする」と変更しています。 白鳥孝伊那市長は、「発見次第、伐倒・燻蒸するなど対応を進めてきたが、被害の拡大が進んでいる。樹種転換を進めていくしかない」と話しました。