子どもを守れ
警察と小学校関係者が対策を協議
広島、栃木県で下校中の女児が殺害される事件が相次いだことを受け、伊那署と駒ヶ根署は、それぞれ小学校関係者と対策など意見を交わした。
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緊急伊那署小学校分科会は8日夜あり、全小学校22校の校長、PTA役員、各市町村教育長など約70人が参加。各校ごとに▽通学路の危険個所を再点検する、▽防犯ボランティア、PTA、学校などが連携し情報交換をする竏窒ネどの対策を確認した=写真。
通学路について西澤忠篤生活安全課長は「安全マップの再確認が一番重要」とし、「子どもの安全を守るためには、要注意個所を把握し、関係者で情報を共有する必要がある。自治会、育成会、地域ボランティアなど校長を中心に、危険個所の再確認をするのが望ましい」と参加者に呼びかけた。
安全対策について学校長、PTAから「不審車両のナンバーはどの程度覚えればよいか」「緊急時の集団下校には地域の警察署員を同伴してほしい」「伊那市の地域安心安全情報ネットワーク構築事業の本格運用はいつ」などの質問があがっていた。
10月末現在、県内で小学生以下の子どもが不審者に声をかけられた事案は150件で、そのうち伊那署管内は12件。昨年と比べて管内も増加傾向にあるという。
伊南地区学校警察連絡協議会小学校分科会緊急対策会議は9日、駒ケ根警察署であった。伊南4市町村の教育委員会、10小学校の校長やPTA役員、警察関係者など約40人が出席し、通学路上の不審者への対策などについて意見を交わした=写真。
児童の安全について学校などに対して指導・助言するスクールガード・リーダーの小出光恵さんは「悲惨な事件を防ぐには、いかに地域の人を巻き込んでいくか、どう関心を持ってもらうかが大切だ」と述べた。
各市町村教委と小学校は実施している通学路の安全対策などについて「職員やPTAが毎日パトロールしている」「下校中に暗くならないよう下校時間を早めている」「安全マップを作成している」などと報告した。意見交換で出席者からは「児童が自分で身を守る力を育てるための実践的な訓練が必要では」「危機管理はもちろん重要だが、子どもらしさが失われないような教育との両立も考えていかねばならない」などの意見が出された。
大杉元文生活安全刑事課長は管内で発生した声掛け事案などについて説明し「何かあったらすぐに署に通報を。時間がたつと緊急配備が間に合わない」と協力を訴えた。
各小学校は今後、具体的な個別対策について早急にPTAや警察を交えて協議していく。