南アの食害 原状には戻らず
南ア食害対策協議会の講演会
南アルプスの静岡県側でのニホンジカの食害への取り組みについての講演会が、17日伊那市役所で開かれ、防護柵を設置して5~6年経過しても、元の状態には回復していないことなどが報告されました。 17日は、南アルプス食害対策協議会の総会が開かれ、静岡県の南ア高山植物保護ボランティアネットワークの鵜飼 一博さんが講演しました。 この組織は、静岡県側の聖平や、塩見岳などに、シカの食害から高山植物を守るため防護柵を設置しているほか、土砂流出防止のためヤシ繊維のマットを敷設しています。 防護柵を設置したところ、翌年には、かなり回復し、原状回復への期待が高まりましたが、それ以降は、草の丈も伸びず大きな回復がない状態が続いているということです。 鵜飼さんは「長く食害の影響を受けた場所は回復にも時間がかかる。元の植生に戻るかどうかもわからない」と話していました。 それでも、何も活動しなければ、土砂流出が進んでしまうとして、効果を検証しながら、活動を続けていきたいと話していました。