スポーツチャンバラ指導者高沢宏彰さん(46)
護身道練士5段
空手道6段師範
駒ケ根市赤穂北割二区
男の子が手近な棒切れを手にして「拙者は宮本武蔵でござる」「何を、おれは丹下左膳だぞ」などと言いながら、楽しそうにチャンバラごっこをして遊ぶ光景をこのところさっぱり見かけなくなったが、駒ケ根市の武道館では週に1度、大人も子どもも一緒になってチャンバラを楽しんでいる。ウレタン製やエアチューブ製の軽い武器(得物)を使い、全身を的にして自由に打撃を競い合うスポーツチャンバラだ。足でも胴でも頭でも竏酎フのどこを打っても一本という分かりやすいルールや、打ち方や構えなど細かい決まり事がない気楽さで徐々に人気が高まっている。剣道や空手などの武道に入門するのは未経験者には少し敷居が高いと感じるものだが、スポーツチャンバラは違う。けがも少なく安全だし、誰でも楽しめる。とはいってもただの遊びではなく、武道の流れをくんだ歴としたスポーツだ。1971年、田邊哲人さん(現国際スポーツチャンバラ協会会長)が小太刀を使った護身道として考案し、得物の種類も増えて今では国内15万人、海外7万人が競技を楽しんでいる。
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岡谷市に生まれ、東京都で育った。父が師範として空手の道場を経営していたことから、幼くして空手に親しんだ。「子どものころは練習が嫌でね。でも10歳のころからだったか竏瀦ラ強よりましだと空手ばかりやっていたら、いつの間にか好きになっていた。あのころは一日4時間も練習していましたね」
学生だった20歳のころ、空手に少し割り切れないものを感じていたところへ知人の紹介でスポーツチャンバラを知った。「これは面白い、と思いました。すぐにのめり込みましたね」横浜に足を運んで創始者の田邊さんにも会った。空手の素養があったためか、めきめきと上達し、全日本大会で優勝を争うほどの腕にまでなった。
87年、駒ケ根市に高沢針灸(きゅう)院を開業。仕事の傍ら、スポーツチャンバラを普及させようと教室を立ち上げて指導を始めた。
「礼節を重んじるところは武道と同じ。でも堅苦しくなく伸び伸びとできるのがいい。入りやすいが奥が深いところが魅力ですね。得物がいろいろあるのもまた楽しい。それぞれに難しさがあるんですよ」得物には刃渡り約30センチの短刀、60センチの小太刀、1メートルの長剣、120センチの杖(じょう)、最も長い2メートルの槍などがある。
「長い方が一般的に有利ともいえるが私は小太刀が好きですね。童心に返ってチャンバラやってみませんか。楽しいですよ」