権兵衛トンネル開通 きょう10年
各界で効果を実感
伊那と木曽を結ぶ国道361号権兵衛トンネルが開通して、4日で10年となりました。 平成18年の2月4日。権兵衛トンネルが開通しました。 開通により、50分で伊那と木曽を行き来できるようになり、塩尻を経由していた時と比べ70分時間が短縮されました。
伊那市西箕輪に本社を置くメッキ加工業者サン工業です。 製造一課リーダーの征矢野 泰士さん(28)は、毎朝木祖村から通勤しています。 開通から4年後の平成22年に就職しました。ふるさと・木曽から通える企業への就職を希望していました。 征矢野さんは、「木曽は、塩尻・岡谷方面しか選択肢がありませんでしたが、木曽に住んでいていろんな選択肢が広がったのでトンネル開通にはすごく感謝しています」と話していました。
南箕輪村南原の呉竹鮨では、開通後にすぐに変化があり、木曽からの客が全体の1割を占めるようになっています。 木曽の常連客は、近所の店に行くような気軽な感覚で来店するということです。 店主の山本 昌則さんは、「開通したおかげで客が増え、ありがたいと思っています。祝いごとなどで、木曽の人によく使っていただいているんですが、利用できる店が増えたことはうれしいことだとお客さんもおっしゃっています」と話していました。 開通前には一日235台だった伊那木曽間の交通量も、開通後の平成22年には4千台以上に増えました。 国道361号改修期成同盟会では、物流の効率化、通勤圏の拡大、医療体制の強化などにつながったとまとめています。 伊那市の白鳥孝市長は、「徐々に通行量も増え、木曽圏と伊那谷が、生活・医療などいろいろな面で一体化してきた。今の一体感は、もっと大きな範囲になると思う。今までにないような形の観光がダイナミックに行われてくるということが10年先に想定されますので、それまでに、私たちは世界に魅力を発信していくということをやっていかなければいけないと思っています」と話していました。 平成29年5月には、木曽―高山間の上ヶ洞バイパス工事が完了し、大型バスでもすれ違いのできる道路になる予定で、さらなる観光振興などに期待が寄せられています。