中央アルプス 西駒山荘営業始まる
遭難教訓の山小屋 石室が国登録有形文化財へ
中央アルプス将棊頭山直下にある西駒山荘の営業が9日からはじまりました。 9日は雨のため10人ほどいた予約はキャンセルが相次ぎ1人が利用しました。 この日、西駒山荘管理人の宮下拓也さんは食事の準備などに追われていました。 そして営業初日から宮下さんを悩ます事が起きました。 キャンセルの連絡がないまま小屋を訪れない予約客がいて心配した宮下さんは午後6時過ぎになって登山道を見に行くことにしました。 1時間半ほどして小屋に戻りましたが予約客を見つけることはできませんでした。 この登山客は伊那市の桂木場から登っていましたが途中で諦め大樽小屋で1泊してから9日午後に西駒山荘に着いたということです。 10日は快晴に恵まれ登山日和となりました。 西駒山荘は中央アルプス将棊頭山の標高2,730メートルにあります。 大正2年に中箕輪尋常高等小学校の生徒ら11人が亡くなる集団遭難があったことから避難小屋として大正4年に建設されました。 その後増築を繰り返してきましたが、建設当時の石室はほぼ当時のまま使われています。 この石室は国の文化審議会が登録有形文化財として登録するよう文部科学大臣に答申しています。 管理人の宮下拓也さんは登山者に「石室に触れ遭難の教訓や小屋の建設に尽力した地域の人々の思いを感じてもらいたい。」と話します。 西駒山荘は40人が宿泊でき1泊2食8,500円、素泊まり6,000円となっていて10月10日まで営業しています。