運動あそびプログラム導入
06年度、南箕輪村内全保育園に
南箕輪村は06年度、運動遊びで前頭葉を活性化させ、子どもたちに集中力や抑止力をつけたい-と、松本短期大学柳沢秋孝教授の柳沢運動プログラムを村内全5園に導入する。
運動あそびプログラムは、(1)跳躍(2)支持(3)懸垂-の運動が基本。30年ほど前は遊びの中で自然に身に付いていたが、体を動かす遊びの減少から今はあまり身に付いていない運動能力を楽しく遊びながら身に付ける。現代の子どもは、意思、やる気、自己抑制力など人間らしさをつかさどる前頭葉の発達に4年の遅れがあるといい、キレる子どもにならないために、プログラムを通して前頭葉を活性化させ、心の発達を促すという。
上伊那では箕輪町が04年度、伊那市が05年度に導入している。
村は導入に向け、05年9月から06年1月まで各園3回ずつ、運動あそびプログラムを試行。柳沢研究室の研究生、金井仁美さん=南殿=が楽しく簡単なあそびを指導している。
中部保育園の年長児は、リズム室でクマのまねをして歩いたり、カンガルーになってジャンプしながらゴムひもを飛び越えたり、お腹の上にご飯をのせたラッコになって床に仰向けに寝た状態でゴムひもの下をくぐったり…。目を輝かせ、次は何をするのかと待ちきれない様子で、初めての運動あそびを楽しんでいた。
「子育てにやさしいむらづくり」をすすめる南箕輪村。唐木一直村長は、「たくましさの中に人を思いやる優しさのある子、いつまでも村を好きでいられる、自分が育ったふるさとを忘れない子になってほしい」と願う。
「子育てで大切なのは、母親が仕事と子育てを安心して両立できる環境づくり。そのために保育の充実が大切」と、05年は保育料の引き下げ、すくすくはうす開所、同施設への子育てアドバイザー配置、保育園のふれあい保育などを実施した。
その中で、「子どもたちが健康で発達することも大切な要素。それには小さいころからの運動が大切」と、運動あそびプログラム導入を決めた。「06年度は年間通してできるよう予算づけし、軌道に乗せたい」という。
運動あそびをした園児たちは、「またやりたい!」と口をそろえた。楽しく遊んだ満足げな笑顔が、リズム室にあふれた。