門松作りに大忙し 小松彰一さん(75) 伊那市東春近
ふるさと四徳 活性化への思い強く
「この時期は気合いが入るね」。正月を控え、門松作りに大忙しだ。寒さに加え、朝から夕方までの1日仕事に、手が荒れ、割れ目ができる。それでも「冬の楽しみでやっていることね。人の喜ぶ顔がうれしい」と自宅の庭で火をたきながら、正月飾りづくりに精を出す。
11月ごろから、山に行って松を切ったり、友人から竹を譲ってもらったりと材料を準備。早めに作ると、竹が割れてしまうため、製作は短期間に集中する。
高さ1・5メートルの門松十数基のほか、しめ飾り、タイなどを手がける。門松で使った直径15センチの竹の切れ端を土台にしたミニ門松が新たに加わった。
門松は3本の竹を中心に、松、梅、しめ飾りを組み合わせる。わらで作る土台のはかまも手づくりで、オリジナル。梅は温室で咲かせるが、本年は寒くてつぼみにもなっていないとか。
門松作りを始めたのは15年前。会社にあった門松を見て、作ってみようと思い立った。上伊那中の商店街や銀行の門松を見て回り、研究した。
10年ほど前から、仕上げた門松は、地元の公共施設などへ寄贈。「しめ飾りの作り方を教えてほしい」と自宅まで習いに来る人もいる。小学校などへも出かけ、指導に当たる。
「わしたちの小さいころは、ござを編んだり、学校に履いていくぞうりを作った」とわら文化は生活に欠かせないものだった。今では、わらに触れる機会が少なくなり「わら文化を伝承したい」と願う。
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中川村四徳出身者らでつくるNPO法人「山里の暮らしと豊かな森林を守る会」の理事長を務める。
今夏、立ち上げたばかりで、四徳に築窯した炭焼きがまで間伐材を使って炭を焼いている。
今後、キノコ山を整備したり、ログハウスを造ったりと森林の活性化や山里の暮らしを復活させ、活性化に結びつける。
メンバーは、61年(昭和36)年の三六災害で集団移住を余儀なくされた60縲・0代の住民ら約20人。「まさか、ふるさとの山で炭を焼くと思わなかった」と話すものの、メンバーが集まると、ふるさとの話は尽きないという。
活動を継続するためにも、後継者育成が必要と考えている。
短歌や俳句も趣味。
ふるさとの山で、炭焼きに取り組んだ様子を題材にした短歌もある。
(湯沢康江)