05年の事件や事故を振り返る
◇2月▼28日午前2時29分ころ、伊那市坂下区入舟の飲食店「美代子」などが営業する木造一部2階建ての建物(約142平方メートル)から出火し、同建物が全焼したほか、西側に隣接する木造2階建ての2階部分(約35平方メートル)を焼き、午前4時に鎮火した。伊那署は不審火の疑いで捜査し、3月に火事場で伊那消防組合所有の空気呼吸器などを盗んだ、南箕輪村南原の会社員・小野寺正人容疑者=当時33=を非現住建造物等放火罪の疑いで再逮捕。伊那署によると、同容疑者は、昨年12月と2月10日の両日にも放火を企て、いずれの火災もライターで火を着けている。消防に関する熱狂家で、いらいらして火をつけ消防車が出動する様子を楽しんでいたという。11月の判決の結果、懲役6年を言い渡された
◇3月▼8日午前1時過ぎ、箕輪町松島区の無職男性=当時90=方に男が侵入し、現金3万円位を強取して逃走。男性は犯人ともみ合った際、刃物が額に当たり軽傷を負った。犯人の特徴は、身長160センチ位のやせ型で黒づくめの服装、目出し帽をかぶっていた。事件は捜査中で、犯人に結びつく直接的な情報は得られていないという▼24日午前5時15分ころ、箕輪町中箕輪木下のプリント配線盤工場・伸光製作所(河野哲郎社長)の新北工場2階の屋外にある塩酸タンクから、気化し塩酸ガスが発生した。地域住民らに避難指示が出され、周囲は一時騒然とした
◇5月▼伊那署は窃盗の疑いで、伊那市内在住の少年5人を12日までに県地方検察庁伊那支部に送検した。リーダー閣の無職の少年=当時16=は4月24日に窃盗の容疑で逮捕。市内の住宅や公会堂事務室、神社において現金など15万2700円相当を盗んだ。少年らは・ス遊ぶ金・スほしさに犯行していた
◇7月▼伊那、茅野署と県警捜査第3課の合同捜査班は7日午前3時58分、茅野市内の給油所敷地内から販売用のタイヤ約40本を盗んだ疑いで、山梨県笛吹市石和町東高橋の無職・須田実=当時29=と、双子の弟の同町広瀬の無職・須田昇=当時29=両容疑者を逮捕。伊那署は余罪捜査の結果、11月4日までに合計9回の追送致を終えた。調べによると両被告は、03年3月から逮捕されるまでの間、長野、山梨など関東・中部地方11都県で、209件の犯行を実施し、被害総額は約8800万円(約4300本)。伊那署管内では伊那市、箕輪町のタイヤ専門店やガソリンスタンドで約5件(被害額=約650万円、被害本数=約450本)の被害があった
◇8月▼11日午前9時30分ころ、伊那市西町区大坊の小黒川付近で、河川管理のため一人で巡視中だった駒ヶ根市東伊那の県嘱託職員=当時63=がクマに襲われ、顔面や額、左ふとももなどを負傷した。市は防災無線や有線放送などを通じて注意を呼びかけた
◇12月▼2日午後2時30分ころ、高遠町原勝間の三峰川沿いの工事現場斜面で作業員が砲弾1個を発見。伊那署が写真を撮影し、陸上自衛隊朝霞駐屯所に照会し、「爆発する可能性はない」とされため、一時同署で保管。全長は約28センチ、直径は約7・5センチ、旧ロシア製と見られ、全体がさびていた▼19日午後2時30分ころ、伊那市中の原にあるダチョウ処理施設から脱走したダチョウ3羽(雄1、雌2)は、翌日の午前中までに全羽を捕獲。前日、日没で捜索をあきらめた関係者らは眠れない夜を過ごし、約20時間ぶりの再会に胸をホッとなで下ろした