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新春・経済対談
06年、伊那谷商工業の行方を探る【下】

【出席者】
■伊那商工会議所会頭 向山公人さん
■駒ヶ根商工会議所会頭 渋谷敦士さん
□司会・毛賀沢明宏

新春・経済対談<br>06年、伊那谷商工業の行方を探る【下】

 06年、伊那谷の産業・経済はどのように展開するか?上伊那経済をリードする伊那と駒ヶ根の商工会議所の会頭に話し合ってもらった。その3回目。

中心商店街活性化のための新たな取組みの年

新春・経済対談<br>06年、伊那谷商工業の行方を探る【下】

司会 商工会議所が抱えるもう1つの大きな問題は、中心商店街の活性化だと思います。これは地方中核市はどこでも直面しているもので、権兵衛トンネルでつながる木曽町などでも、かなり積極的な試みが始まっています。伊那市、駒ヶ根市はどのようなプランをお持ちでしょうか?
渋谷 指摘のように大変難しい問題です。私が思うに「町づくり三法」=都市計画法・中心市街地活性化法・大規模小売店立地法=のうち、大規模小売店立地法竏窒「わゆる大店法竏窒ェ問題です。実質的に何の規制にもならないものになっている。自民党も中心市街地活性化のワーキングチームを作って、三法の見直しを始めたので、宮下一郎衆院議員に「本腰を入れてやって欲しい」と陳情などもしました。12月に見直しの検討結果が出されたが、「街中に住む人を増やしながら開発する」とういう方向付けがなされたもので、かなり評価できるものだと思っています。大型店が出ると、商業集積が移ってしまい、市内では全小売店の売り場面積の実に67・1%が大型店舗です。これはなんとかしなければいけない。
向山 伊那市でも大型店の売り場面積は、59・1%になり、中心市街地商店街をいかにして活性化させるかは大変大きな課題になっています。正直言って、弱った。頭を抱えています。何をすればいいのか?野球で言えばクリーンヒットが出ないんですよ。私は会頭に就任して1年になりますが、この問題だけは、会員、特に商店主の皆さんに、これまでのいろいろな経緯や議論はあるが、いったん全部白紙に戻して、0から議論をやり直そう竏窒ニお願いし、各地区の面談を積み重ねてきたところです。
渋谷 決め手がないというのは駒ヶ根も同じですね。この分野での先進地とかなり違いがある。それで、長野市の町興しで活躍された、七味トウガラシの老舗・八幡屋磯五郎の社長を招いた勉強会を開き、町づくり・店づくりを研究しました。この流れの中で、広小路の商店街の奥さんたち20人くらいが「笑店塾」という集まりを立ち上げ、ウインドウのレイアウトとか飾り付けを相互に視察して議論し始めています。奥さんたちは頑張っていますね。06年は、市街地活性化のために駒ヶ根にもTMO(タウン・マネージメント・オーガニゼイション)を立ち上げ、力を入れていきたいと思います。
向山 中心市街地の活性化のためには、やはりそこの地区の商店街の皆さんが、自分たちでやる気になってもらわなければ始まらないと思います。先ほど話した面談の中で、何を考え・何をしようとしているかをお聞きしたんですが、商店主の皆さんからは「会議所とこんなに話したのは初めてだ」という声が出てきた。これまでの会議所のあり方にも問題があったと思いますが、商店主の皆さんもこれまでは会議所への要望を述べるという関わりしかしてこなかったという問題もあると思う。でも、何かの補助金がつくならやろう、という発想はもう止めるべきです。俺たちにはこういう計画があり、ここが足りない。それで、会議所や行政が補助金などでサポートできないか竏窒ニいうように考えるべきですよ。合併もあり、権兵衛トンネルも開く。そういう状況下で、自分たちの足場だけの商店街としてではなく、信州南部を代表する商店街を作る。そのために、伊那市でしたら、八幡町・入舟・通り町・西町が連携をして何かするというように考えていくべきだと思います。
司会 商店街の連合組織のようなものを考えているのですか?
向山 いや組織を作れということではありません。それぞれの地区組織が、ばらばらに何かをするのではなく、自分たちで連携を作りながら一緒に進むというような形が理想ですね。
渋谷 同感ですね。駒ヶ根でも、権兵衛トンネル開通にあわせて、歴史的な名所旧跡としての光前寺と、その周辺の早太郎温泉、それに町の商店街が連携をとって観光的に売り出そうとしている。商店街は、これまで、会議所は何をやってくれるのよ竏窒ニいう姿勢だったが、これからは会員が会議所をどう利用して、町を良くして行くかを考えるべきでしょうね。
向山 伊那商工会議所も創業塾とか、経営革新講座とかを行っています。新しく事業を起こそうという人が創業塾に参加して、それなりの成果も出ているのだが、既存の商店の皆さんの参加をもっと増やしたい。意欲のある商店主が集まらなければ、何も進みません。さっき大型店舗の話が出たが、商店街というのはいわば1つのビル、1つのデパートじゃないですか。「大型店には勝てないさ」と言っている前に、この自分たちのデパートを良くするために、皆が協力してやらないと。そのための一助になるかと、今度会議所でバーチャル商店街を作ってみました。「い縲怩ネ ごんべえナビ」というのですが、会議所のホームページの中に、店の特徴や目玉商品を並べてみたんです。05年11月から4月頃までの期間限定ですが、現在45社ほどが軒を並べています。こういうものが、商店主がやる気になる1つのきっかけになればと思っています。

縮み思考捨て、新しい挑戦に打って出よう

新春・経済対談<br>06年、伊那谷商工業の行方を探る【下】

司会 大きな時代的変化の中で、製造業にせよ商業にせよ、新しい挑戦を始める好機が来ているし、意欲をもって進むべきだというお話だと思います。05年年末は、構造設計書偽造問題や、牛肉の表示偽造問題などがおこり、上伊那でも関係企業は少なからぬ影響を受けていますが、そういう状況をも克服して、地域の産業振興を図るために何が必要でしょうか?
渋谷 構造設計書偽造問題や、牛肉の表示問題は、企業倫理に尽きるでしょう。損得勘定だけで考えていてはだめだ。そういうことが如実に表われた。いや、損得勘定で言っても、ああいうことをやっていては、結局のところ、大きな損失になるでしょう。それはもう、1企業のことではなく、社会全体の大きな損失です。やはり、企業の公共的役割をきちんと自覚しないといけない。上伊那企業は、そういうことはしっかりと自覚していると思っています。
向山 企業倫理はあらためて問われていると思いますね。ただ、構造設計書の場合には、県が建築確認を降ろした例もある。これはこれで責任が出てくると思います。許可を下ろしたり、確認を受付けたりする権限を持つということは、同時に責任も持つわけで、その責任の所在を明確にしないといけない。とにかく、あんなことをやっていてはだめだ。誰の利益にもならないですよね。
渋谷 最後に、言いたいことは、景気も拡大基調になっていることですし、商工業者・産業界が気持ちや行動を切り替えるべき年、そういう意識改革をする年になるだろうということです。縮み思考的考え方を止めて、マインドを高めていく。いい年になるかどうかではなく、いい年にしようという自分の気持ちの方を前に向けていかないとだめです。そうすれば、きっと今年は良い年になると思います。
向山 景気に明るい兆しが出て来ていることですから、製造業など、既に地域の枠を超えて、日本各地や世界の各地と連携して仕事をやっている方々は、大きな変革期を迎えるのではないでしょうか。いままで培ってきた技術を活かして、ぜひ大きく飛躍する年にしていただきたい。商業など、この地域での商いを軸にされているところも、権兵衛トンネル開通があり、合併による新伊那市の誕生があり、これまた大きな変化の年です。中央道開通の時きもそうでしたが、道が出来ると良くなるのではないかという人がいるが、そうではないですよ。道をどう利用し、活用するか?そういう気持ちがなければ、何も変らない。何ごとも、時代の変化を利用して、企業や地域を発展させていくという視点が必要ですよ。とにかく、企業や商店にとって、あの時ああしてよかったなと後で思えるような改革の年にしてほしいですね。
司会 どうもありがとうございました。

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