出初め式 安全確保で決意新た
12年ぶり市街地で 腕用ポンプも登場
伊那市消防団の出初め式が9日、中央市街地などであった。高遠町、長谷村との合併前、現伊那市として最後の式のため、分列行進・一斉放水の場所を12年ぶりに市役所付近から移動した。分列行進などには、特別企画の腕用ポンプ(1915年製)も登場し、例年より多い市民らが集まりにぎわった。
消防団をはじめ、赤十字奉仕団、婦人消防隊、少年少女消防クラブなど約600人が集まり、市駅前ビルいなっせ竏駐・M交差点間を分列行進。天竜川・大橋の上流では、腕用ポンプ1基、消防ポンプ24基などが1分間放水し、消防能力の高さを誇示した。
腕用ポンプの放水能力は1馬力で、1分間に270リットルの放水が可能。こぎ手をした団員の一人は「残り30秒がきつかった。昔の人の苦労が偲べました」と肌寒い中、息を切らしていた。
市民会館での式典で田畑安彦団長は、新伊那市発足後の消防団について「各団の歴史と伝統を受け継ぎながら、地域の安全を守る奉仕者として、広域的かつ機能的な予防活動を心がけて取り組んでほしい」と訓示した。
日本消防協会長、県消防協会長などの表彰や、消防音楽隊と消防団ラッパ隊によるアトラクションもあった。
05年の伊那市の火災件数は43件(前年比10件増)、損害額は4078万3千円(同126万5千円減)。団員の出動状況は延べ738人(同712人減)だった。