福島からの果樹農家・佐藤さん6年目の春へ
東日本大震災からまもなく6年となります。福島から伊那市に自主避難した果樹農家・佐藤浩信さんも、伊那で6年目の春を迎えようとしています。 佐藤さんは、9日、西箕輪の畑で三男の孝樹(こうき)さんとともに、桃の剪定作業を行っていました。 剪定は、果樹栽培の肝ともいえる作業です。 福島第一原発事故直後に、移住先の伊那で植えた桃は6年目を迎えようとしています。 福島から持ってきて植えた黄金桃という品種の桃は50本ありましたが、このほど、すべて切りました。 病気に弱いことと、ほかの品種の桃と時期が重なり、出荷しきれないことから、ゼロからほかの品種に植え替えることを決断しました。 避難してきた当時、植える桃の出荷時期にまで、考えが至らなかったと振り返ります。 佐藤さんは、原発事故があるまでは、高級百貨店で販売する果物を扱ってきました。しかし、風評被害で取引は激減しました。あれから6年。試行錯誤の毎日が続いています。 佐藤さん一家が、伊那で管理する果樹園は、現在3.2ヘクタールほどになります。 福島とのつながりを保ったまま伊那で何ができるのか、佐藤さんはもがき続けています。