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自ら歌った1547曲のCDを寄贈

駒ケ根市上穂栄町
カラオケハウス「アリーナ」店主渡辺正樹さん(57)

自ら歌った1547曲のCDを寄贈

 施設にいるお年寄りたちに少しでも楽しんでもらえたら竏窒ニカラオケに合わせて歌った1547曲収録のCDを製作。昨年末、駒ケ根市社会福祉協議会などに7セット寄贈した。曲は1895(明治28)年から04年までの日本の曲。歌謡曲を中心に軍歌、フォーク、ポップスなど幅広い。
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 駒ケ根市の中心商店街の一角にあるカラオケハウス「アリーナ」の店主。
 「以前は電子部品製造企業の品質管理部門で働いていました。ところが海外への転勤の話が出てきた。どうしてもそれが嫌で」94年に退職。自宅の敷地内で駐車場がなくてもできる商売を竏窒ニ考えた末に今の店を開店した。「もともと音楽は好きだったから良い選択だったと思ってます。若いころは喫茶店の経営にあこがれたこともあったしね。親に反対されてあきらめましたが…」
 歌は以前から好きで、カラオケ大会に出て優勝を争ったこともある。店を始めてからは商売柄、毎晩歌うので持ち前の柔らかな美声にさらに磨きがかかった。
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 人前で歌うのは平気だが、録音のために誰もいない店の中で一人マイクに向かって歌う時は、間違えてはいけない、聴く人のために少しでも良い歌を歌いたい竏窒ニ極度に緊張するという。「それに年のせいか最近涙もろくなってきてね。戦争の歌を歌う時なんか、体験もないのに情景が目の前に浮かんできて感極まり、声が震えて歌えなくなっては何度も何度も録音し直したこともある。沖縄戦の悲惨さを歌った『さとうきび畑』なんかがそうでした」
 個人的に好きなのは昭和30年前後の歌。美空ひばり、フランク永井、春日八郎、三橋美智也などだ。「本当はポップス調の曲はなるべく避けたかったんですよ。つい演歌調の小節が出てしまうものですからね」
 明治や大正などの古い曲はもう聴くことができないものも多く、メロディーは記憶が頼りだったが「父が音楽が好きでよく聴いていたせいか、けっこう知っていました。今になって感謝しています」。
 「2年前にも約1千曲入りのCDを6セット寄贈したんです。その時に録音できなかった曲や新しい曲を加えて今回の1547曲になった。でもこれ以上増やすのはもう無理でしょうね。近頃の新しい歌はあんまり歌う気にならないから」
 (白鳥文男)

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