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望岳荘の新支配人、藤井邦彦さん

クレームゼロを目指したい

望岳荘の新支配人、藤井邦彦さん

 中川観光開発が運営するりんごと蜂の宿「望岳荘」の新しい支配人。10日に就任したばかりで「大変厳しい時期に就任し、気を引き締めている。営業力を強化し、従業員の力を結集し、お客満足経営を進めたい」。
 大阪府枚方市生まれ、大学卒業後、「人と接する仕事をしたい」と中堅スーパーに飛び込み、営業から仕入れ、バブル期から崩壊も経験した。「バブル崩壊後は極端に安い物しか売れなかった。仕入れは苦戦したが、正直をモットーに、相手先と信頼関係を構築することで乗りきった」と振り返る。
 子供のころの枚方市は山や川があり、自然がいっぱいだったことから、いつかは田舎イコール長野県に住みたいと、漠然と考えていたこともあり、10年を区切りに退社、職と住を求めてあこがれの長野県に。「北信は雪が多く、スキーにはいいが、雪下ろしが大変」と、南信を中心に探し、全国住みやすさランキング上位にひかれ、駒ケ根市に移住、駒ケ根高原のホテルに勤務した。「ホテルとスーパーでは、売るものがサービスと物の違いがあるが、根っこは同じ、共通点が多いと感じた。クレームをいただいたお客さまが常連客になっていただいたこともあり、クレームこそビジネスチャンス。逃げるとクレームは大きくなると悟った」
 その後、中川村八幡平に居を構え、出席した地区懇談会で、望岳荘のソフト面に対する村民のクレームが多いことに驚き、曽我村長とのメールのやり取りの中で、支配人を引き受けることになったという。
 「まず、営業力の強化に向け、ホームページを充実させたい。今は個人客を中心にネットでの申し込みが急増している。パンフレットよりも情報量が多く、全体像がつかめ、団体の営業もHPで内容を確認している」。
 また、望岳荘の最大のウリは「客室から中央アルプスが一望できる宿は意外と少ない。眺望の良さを存分に生かしたい。大草城址の桜も種類が多く長く楽しめる。観光地化されておらず、桜の穴場」と強調する。
 現在、新年会シーズンで、瀬戸内の幸、海鮮しゃぶしゃぶ鍋が中心の献立「近隣ではリーズナブルな料金で料理がいいと好評。料理で差別化を図りたい」と意気込む。
 課題は温泉でないこと。「採算が合えば、四徳温泉からの引湯も考えられる。当面は薬湯で対応したい」。
 また、以前からソフト面のクレームが多かったことから「接客マニュアルをつくり、従業員が基本を身のつけ、いつもお客様の立場で考え、対応し、1年後にはクレームゼロを目指したい。従業員ひとり一人はソフトでにこやかな良い人ばかり、その良さが見え、生かせるようにしたい」。妻と長女の3人暮らし。(大口国江)

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