南アルプス開拓の功績を偲ぶ 長衛祭
南アルプスの開拓者として知られる竹澤長衛を偲ぶ第59回長衛祭が24日、南アルプス北沢峠で行われました。 長衛祭には、伊那市や山梨県南アルプス市などから、山岳関係者や一般登山客およそ200人が参加し、献花台に花を手向けました。 伊那市長谷出身の竹澤長衛は、登山道の整備など、南アルプスの開拓に尽力しました。 その功績を偲び伝えていこうと実行委員会が毎年行っています。 唐木眞澄実行委員長は「この祭りをこれからも続け、一層山に親しむ文化が広がってほしい」とあいさつしました。 白鳥孝伊那市長は「長衛の自然との共存という理念を受け継ぎ、これからも順守していきたい」と話していました。 このほか、弦楽四重奏の南アルプスカルテットの演奏に合わせ、伊那市の長谷小学校と南アルプス市の小学校の児童が「ふるさと」を歌いました。 24日は東駒ケ岳への記念登山が行われます。
南アルプスの開拓の父 竹澤長衛
竹澤長衛は南アルプス開拓の父と呼ばれ亡くなってから59年が経った今も登山者から慕われています。 長衛は1889年、明治22年南アルプスの麓、伊那市長谷戸台に生まれ若い頃から狩猟と山案内を生業としてきました。 伊那市長谷のアルプスフォトギャラリーには長衛に関する資料が並べられています。 長衛は南アルプスを誰もが安心して登れる山にしたいと登山道を整備し山小屋を建てました。 山小屋の管理人として登山者をいつも温かく迎え、遭難者が出たときはその救助に向かいました。 その一生を山に捧げた長衛は「俺が死んだら南アルプスの仙丈ヶ岳の方に向けて埋めろ。いつもここから山を見守っている」と遺言し69年の生涯を閉じたといいます。