“いなまち”の今昔 写真で比較
伊那市美篶の写真愛好家・中山清子さんが撮った今の伊那市街地の写真と図書館が所蔵している昔の市街地のものが並ぶ「いなまちの写真展」が、伊那図書館で開かれています。 会場には、中山さんが撮影した普段のままのいなまちの写真、およそ30点と、伊那図書館に所蔵されている大正から昭和にかけての古いパネル30点が並んでいます。 こちらは、通り町商店街の北側の入口を伊那橋付近から撮影した写真です。
同じ場所で、昭和30年に撮影された写真にはアーケードが完成した様子が記録されています。
昭和35年には皇太子様の御成婚を祝って王冠の回転灯が設置され、多くの人が祝っている様子が記録されています。 子どもの頃から「いなまち」を訪れるのがなによりも楽しみだったという中山さんは、そのいなまちの美しさや生活感が漂う雰囲気に魅せられて市街地の写真を撮るようになりました。 中山さんは17年前にガンを患いました。退院後、医者から外に出て体を動かすように勧められ、始めたのがカメラでした。 中山さんは「いなまちの通りの中には人の優しさ、人情が溢れている。建物は変わっても、そういった人々の温かみは変わっていない。そんなところが魅力です」と話していました。
この日は、昭和26年から伊那橋の横に店を構える大十呉服店の店主池上直樹さんと中山さんとの対談が、この写真展に合わせて行われました。 通り町商店街にいくつか設置された時計について中山さんが「バスを中心に動いていた街だからこその気遣いが感じられる」と話すと、池上さんは「今でも通り町を歩いて家に帰る時には時間を確認します」と話していました。 中山さんの写真は、今回の展示に合わせて伊那図書館に寄贈されています。 いなまちの写真展は7月21日(金)まで伊那図書館の展示ギャラリーで開かれています。