七夕の奇祭 さんよりこより
三峰川をはさんだ伊那市美篶と富県桜井の天伯社で月遅れの七夕の奇祭「さんよりこより」が7日、行われました。 伊那市美篶の下川手・上川手の境にある川手天伯社には、七夕飾りを手にした子どもたちが集まり始めました。 天伯社では神事が行われ、ご神体が神輿の中へと移されました。 神輿の下を3回くぐると無病息災、安産のご利益があるといわれていて、集まった子どもたちがくぐっていました。 伝統行事さんよりこよりは、三峰川の氾濫を治め無病息災を祈る行事です。 応永年間の1427年、高遠の藤沢片倉にあった天伯様が大洪水で流されて、桜井に流れ着いた後、再び流されて対岸の川手につきました。 川手には大棚機姫命、桜井には瀬織津姫命と双方に天伯社が祀られたと言い伝えられています。 神輿くぐりが終わるとさんよりこよりがはじまります。 子ども達は、さんよりこよりと唱えながら3周した後合図とともに氾濫を引き起こす鬼に見立てた大人をめった打ちにし、これを3回繰り返します。 さんよりこよりが終わると降り出した雨の中、ご神体を乗せたみこしを担いで富県の桜井にある天伯社を目指します。 三峰川を天の川にみたて神輿を渡るさまは、七夕の織姫と彦星の年に一度の逢瀬になぞられています。