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子どもたちの「満州開拓」 水田さん実体験語る

子どもたちの「満州開拓」 水田さん実体験語る

戦時中、満州の開拓を目的に国から送られた満蒙開拓青少年義勇軍について考えるシンポジウム「子どもたちの『満州開拓』」が14日、伊那市のいなっせで開かれました。 シンポジウムでは、満蒙開拓青少年義勇軍として、実際に満州へ行った駒ヶ根市の水田克己さんが実体験を話しました。 水田さんは昭和4年生まれの87歳で、昭和19年14歳の時に茨城県の訓練所に入所し、満州に渡りました。 満州では、開拓団の仕事よりも、毎日軍事訓練ばかり行っていたということです。 水田さんは「まだ14歳の子ども。手榴弾の訓練をさせられても投げたら遠くまで飛ばず、近くで爆発してしまう人もいた」と話していました。 満州で終戦を迎えた後は、旧ソ連軍の捕虜となり、寒さと飢えに耐える生活を1年間送ったということです。 水田さんは「夜、ワーワーと騒いでいた声が朝になると静かになっている。見てみると亡くなっているということもあった」と話していました。 水田さんは「義勇軍にいたことは恥ずかしくて人には言えない。馬鹿みたいなことをさせられた、という思い」と振り返っていました。 満蒙開拓青少年義勇軍は、戦時中、満州開拓を目的に国策として日本から送られた16歳から19歳の青少年たちのことです。 全国でおよそ10万人が送出され、このうち長野県からは最も多い6千600人が送られました。 シンポジウムは、県内持ち回りで行われているもので、遠くは岐阜、千葉、大阪など、県内外からおよそ100人が集まりました。

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