元伊那市消防団分団長 北原辰男さん
秋の叙勲 瑞宝単光章 受章
秋の叙勲、消防功労で瑞宝単光章を受章した元伊那市消防団分団長の北原辰男さんの喜びの声をお伝えします。 「大変大きな章を頂いて感謝の気持ちでいっぱいです」 伊那市高遠町藤沢の北原辰男さん60歳。 昭和52年、二十歳の時に消防団に入団し平成25年57歳の時に藤沢分団長に就任しました。 北原さんは、「過疎地域なので非常に少ない人数でこの地域を守っていかなければならいため、住民とコミュニケーションをとりながら同じ考えのもと活動できるように心がけてきた」という事です。 38年の消防団歴の中で忘れられない大きな災害が2度ありました。 入団間もない昭和57年、58年。2年続けて台風が高遠町地区を襲い土砂災害や河川の氾濫が起きました。 北原さんの地元松倉でもあふれ出た川の水が民家の近くまで押し寄せました。 「家が流されてしまうという状況の中で土のうを積んだり木流しをしたりと夜を徹してやったのが一番の大きな思い出で残っている。何をやったかはっきり思い出せないくらい必死だった」と話します。 そして平成18年7月豪雨。 藤沢地区松倉で山が崩れるかもしれないとの情報が入りました。地元の消防団員10人は1時間おきに3日間休むことなく山の監視にあたりました。 「とにかく住民の皆さんに避難ねがって命を守るというところで全員一致団結して見守りにあたった」と当時を振り返ります。 北原さんは平成26年58歳で消防団を退団しました。 「松倉でも自主防災組織をつくっていて、『自分たちの地域は自分たちで守る』という考えのもと、これからも啓蒙活動含め頑張っていきたい」ということです。