観光資源として南ア活用 モニターツアー計画
登山者に人気の南アルプスを、観光資源として活用していこうと1年間調査を行ってきた「南アルプス観光魅力創出プロジェクト特別委員会」は来年度、地元住民を対象にした入笠山・鹿嶺高原と市街地を結ぶモニターツアーを実施します。 27日は今年度最後の委員会が伊那市の伊那商工会館で開かれ、委員などおよそ20人が出席しました。 プロジェクトを検討してきたのは、入笠山と鹿嶺高原を観光資源として活用しようと今年度発足した、伊那商工会議所の特別委員会です。 委員会では、来年度、地元住民を対象にした市街地と入笠山や鹿嶺高原を結んだモニターツアーや、現地の山小屋などと連動したイベントなどの企画を実施していく方針をまとめました。 栗原敦司委員長は「今年度はしっかり調査・研究を行ってきた。来年度は実行する年。そして3年目には企画が誘客につながればうれしい」と話していました。 この日は、専門家として鹿嶺高原にある雷鳥荘の管理人やホテル旅館組合、飲食店組合などの代表者も出席しました。 雷鳥荘の管理人で伊那市地域おこし協力隊の清水陽一さんは「訪れる観光客のほとんどが関東、東海からのお客さんで、地元からは少ない。まずは知ってもらうことが第一なので、連携して誘客できたらと思う」と話していました。 伊那商工会議所では、リニア開通を前に、地域資源を活かした観光を活性化させようと、4つのプロジェクト特別委員会を今年度から設置していて、南アルプス観光魅力創出プロジェクトもそのうちのひとつです。 この日は、長野経済研究所から、ターゲットを絞ってツアーを行った場合の経済効果が報告されました。 それによると、入笠山のトレッキングと市街地の観光スポットを楽しむ高齢者をターゲットにした1泊2日のツアーは3億5千万円。 鹿嶺高原でバーベキューやキャンプをして市街地を楽しむファミリー層や20代女性をターゲットにした1泊2日のツアーが5千3百万円だということです。 委員会では、地元住民に南アルプスの魅力を認知してもらうことから、観光資源としての価値を高めていきたいとしています。