神子柴遺跡発掘60年で基調報告
南箕輪村神子柴にある神子柴遺跡の石器発掘60周年を記念したシンポジウムが、29日から伊那市創造館で始まりました。
この日は、有識者による基調報告が行われ、北海道から長崎県まで県内外からおよそ60人が訪れました。
神子柴遺跡は南箕輪村神子柴にある遺跡で、旧石器時代末期から縄文時代初期の頃の遺跡ではないかとみられています。
出土した石器は国の重要文化財に指定されています。
明治大学黒耀石研究センターの中村由克(よしかつ)さんは、全国各地で見つかっている神子柴系石器群を調べていて、その特徴について話しました。
中村さんは、神子柴系石器群の中でも石斧(せきふ)に使われている石はもろいものが多く、旧石器・縄文時代の他の石器と比べ特徴的だと話していました。
中村さんは「他の石器は効果的なものが造られているのに対し神子柴遺跡はあえてそうではない石を使って造っていて違和感を感じる」と話していました。
シンポジウムは神子柴遺跡発掘60周年を記念して創造館で開かれているもので、30日は東京大学大学院の教授 佐藤宏之さんによる記念講演が行われます。
また、会場では伊那市内で見つかった石器の展示も30日まで行われます。