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【特集 権兵衛開通】広域観光発展の道は?駒ヶ根

駒ヶ根はどう変わるか?

【特集 権兵衛開通】広域観光発展の道は?駒ヶ根

 「アルプスがふたつ映えるまち」をキャッチフレーズに掲げる駒ケ根市は豊かな自然と歴史を核とした観光文化都市を目指している。しかし観光目的で市を訪れる利用客の数は1992年の170万人をピークに年々緩やかな減少傾向にあり、近年は約130万縲・40万人前後で推移する頭打ちの状態が続いている。そんな状況の打開を目指す観光関係者が権兵衛トンネルにかける期待は大きい。
 市が擁する観光資源には中央アルプス駒ケ岳とロープウェイ、家族旅行村、光前寺、早太郎温泉などのほか、キャンプ場、スキー場やゴルフ場などがあり、いずれもそこそこの集客力を持ってはいるが関東や中京など大都市圏での知名度はさほど高いとはいえない。
 市観光協会の宇佐美宗夫情報企画部長はトンネル開通の効果についてこう語る。「東京や名古屋などでは伊那谷も木曽谷もなく、この辺りを一つのエリアとしてしか見ていない。そこにトンネルが開通すれば、木曽から伊那、駒ケ根まで1泊2日の旅程が提案できるんだ。ところが木曽側は旅館やホテルが少ないから、宿泊客が増えてもみんな駒ケ根高原に取られるんじないかと非常に心配している。だが、これからは狭い地域で客の取り合いをしている時代じゃない。10年、20年先を見通して考えなければ。トンネルの効果を生かすも殺すも、いかに連帯感を持って広域的な取り組みができるかにかかっているね」
 年間を通じて大きな集客力を持つ駒ケ岳ロープウェイを運行する中央アルプス観光の中村博政社長は「開通は歓迎。これを大きなチャンスととらえ、大都市圏での営業を積極的に進めてきている。ロープウェイは気候などの要因もあって効果がはっきりと見出しにくいが、家族旅行村のキャビンやオートキャンプなどの宿泊客増には期待したい」と話す。
 ◇ ◇
 土・日曜日でもシャッターが閉じたままの店が目立つなど、高原・中アの観光開発を生かし切れない感もある駒ケ根駅前の商店街では「どうせこっちには関係ないよ。客が増えるにしてもインターから上(西)の方の話だ」とさめた見方をする店主がいる一方で「期待している。商店街としてもこれをきっかけに何らかの活性化策に取り組みたい」と前向きな姿勢を示す人も一部にはみられるが…。
 トンネル開通を一過性の話題だけに終わらせることのないよう、長期的な展望に基づいた滞在型のプランや魅力的な特産品などの開発に期待がかかる。

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