テレビで商品注文 買い物弱者支援
中山間地の買い物弱者支援などを目的に伊那市が進める、空飛ぶデリバリーサービス事業の一環で、自宅のテレビから商品を注文することができる伊那ケーブルテレビのサービスの実証実験が、伊那市長谷中尾で行われています。
5日は、中尾座で報道機関向けの説明会が開かれました。
サービスは、ケーブルテレビの画面でリモコンを使って商品を注文することができます。
新型チューナーにインターネットを接続して使用する、次世代データ放送「ハイブリッドキャスト」を利用したものです。
リモコンを操作し、買い物画面を開くと、画像付きの商品情報が表示されます。
商品を選んで「注文する」のボタンを押すと注文が完了し、商品を扱う店のタブレットやパソコンなどの端末に注文が入ります。
テレビで注文システムの実証実験は、4日から7日まで中尾区の6世帯を対象に行われていて、注文された商品は伊那ケーブルテレビのスタッフが対象世帯に配送しています。
実験で注文した中尾に住む男性は「こういう場所に住んでいると、何かあって出られない時に、届けてもらえると良い」と話していました。
「空飛ぶデリバリーサービス事業」は、中山間地で課題になっている買い物弱者を支援するため、伊那市が大手電気通信事業者のKDDIに委託し、伊那ケーブルテレビと共に2020年度の実用化を目指して進めている事業です。
テレビで注文するとドローンが拠点となる道の駅南アルプスむら長谷から、中尾座まで商品を運び、ボランティアなどが家まで届けるという仕組みです。
伊那市企画政策課の重盛巧課長は「今住んでいる地域に住み続けてもらうという意味でも、この仕組みが役に立っていくのではないかと期待している」と話していました。
今月中にテレビでの受発注とドローン配送とを連携させた実証実験も行われる計画です。