伊那節を後世へ
まつりで継承の想い新たに
伊那節を後世に歌い継いでいこうと、毎年恒例の「伊那節まつり」が8日、伊那市の伊那公園で行われました。
この日は、伊那公園内にある伊那東大社で保存会のメンバーが伊那節を披露しました。
伊那公園には昭和35年に建てられた「伊那節発祥の地」の石碑があります。
まつりは、伊那節を後世に歌い継いでいこうと、石碑が建てられてから毎年行われていて、今年で60回目になります。
伊那節は、権兵衛峠を越えて、伊那と木曽を行き来していた馬追いが歌っていた「おんたけやま」が元になっています。
現在伊那節保存会の会長を務める鈴木一比古(かずひこ)さんの祖父で、馬追いをしていた鈴木繁重(しげじゅう)さんが、おんたけやまを伊那節に変えて歌い始めたのが最初だということです。
その後、大正15年に保存会が発足し、今年で93年になります。
鈴木会長は「継承していきたい気持ちはもちろんあるが、歌い手も踊り手も人手不足で今のところはなかなか難しい。ただ、長い間継承されてきた歌なので、なんとしても残していきたい」と話していました。
まつりは、伊那商工会議所が行っているもので、市内の商工業関係者など30人が参加しました。
14日には、伊那公園で桜まつりが行われる予定で、園内で伊那節も披露されることになっています。