鹿児島系の牛 バイテクで増やそう
上農高校で受精卵移植
南箕輪村の上伊那農業高校で、品質の良い鹿児島系の肉牛を増やそうと、受精卵の移植が16日に行われました。
上農高校には鹿児島系の牝牛が1頭いて名前は「ふくよ」です。
上農高校では、肉質が良いこの鹿児島系の牛を増産したいと考えていますが、過去に4回「ふくよ」が出産したのは すべて牡牛で出荷するしかありませんでした。
そこで、バイオテクノロジーの技術を使って鹿児島系を増やすことにしました。
16日は、上農高校の牛の繁殖に協力している箕輪町にラボを持つ小松洋太郎獣医師に依頼し、受精卵移植を行いました。
移植の様子を生徒たちが見学しました。
「ふくよ」にはホルモン剤を投与し複数の卵子を排卵させ、血統が良い鹿児島系の牡牛の精子を人工受精させてあります。
子宮内に液体を流し込み、受精卵を取り出します。
顕微鏡で調べると、3つの受精卵が採取できていました。
この3つの受精卵を、違う3頭の牝牛の子宮に移植していきます。
移植を行ったのは、上農高校の卒業生で受精卵移植師の資格を持つ柴勇一郎さんです。
特別なカテーテルを使って、受精卵を子宮に注入していました。
受精卵が受胎したかどうかは、40日ほどで分かり、出産は来年2月中旬になるということです。
なお、受精卵移植を行っている高校は全国的にも珍しいということです。