台風19号で南ア結ぶ市道崩落
12日に最接近した台風19号の影響で、伊那市長谷を流れる黒川流域では道路が崩落するなどの被害があり、南アルプス北沢峠へと向かう市道が通行止めになりました。
この影響で、南アルプス林道バスは今季の営業を1か月早く終了することになりました。
黒川にかかる戸台大橋から300メートルほど下流の市道黒河内線の路肩が崩落しました。
伊那市では道路を通行止めにして復旧作業を行うことにしていますが、年度内の復旧は難しいということです。
15日に開かれた伊那市の定例記者会見で白鳥孝市長が説明しました。
白鳥市長は「今の道路の状況ではバスの運行を終了せざるを得ない。45メートルの幅と川から少し高いところにある条件でなかなかすぐにはできないが、国に依頼し来春から利用できるようにしたい」と話していました。
この影響で、仙流荘から北沢峠を結ぶ南アルプス林道バスは、11月中旬までの営業を予定していましたが、1か月早く終了することになりました。
伊那建設事務所によりますと、南アルプス北沢峠にある観測所では、11日午後10時から12日午後10時までの24時間の降水量が600ミリに達したということです。
バスの終了に伴い、10月下旬までを予定していた南アルプスの山小屋の営業もすべて終了することになりました。
また、伊那市長谷の鹿嶺高原へとつながる市道鹿嶺線でも土砂流出や路肩崩落があり、鹿嶺高原キャンプ場も今季の営業を終了することになりました。
伊那市の果樹被害額は1,900万円
伊那市の果樹被害額も明らかになりました。
伊那市内では、リンゴの落下やブドウの棚が倒れるなど、果樹被害は1,900万円に上るということです。
伊那市西箕輪のりんご農家重盛正さんの畑では、3割の木が根元から倒れています。
重盛さんは14日、風の影響で落ちてしまったリンゴ600コンテナ分およそ8.5トンを回収し、ジュースなどの加工用に出荷しました。
重盛さんは「長くリンゴをやっているが、いままでで一番最悪の被害。笑うしかないけど、本当にせつない」と話していました。
箕輪町木下にあるJA上伊那果実選果場では、台風で落下したり傷がついたりしたリンゴが、加工用に持ち込まれていました。
伊那市のまとめによりますと、リンゴやブドウなど、果樹被害額は1,900万円にのぼるということです。
箕輪町と南箕輪村では現在被害状況をまとめているということです。
岩手の被災地にTEC-FORCE派遣
駒ヶ根市にある国土交通省天竜川上流河川事務所では、河川の氾濫被害のあった岩手県に砂防調査を目的にTEC‐FORCEを派遣しました。
隊員らは、岩手県の三陸国道事務所から指示を受け、被災地へ向かいました。