小正月の風習「ほんだれ様」
箕輪町富田の向山喜通さんは、小正月の風習「ほんだれ様」の飾り付けを、7日に行いました。
この日は、向山さんが米粉で作ったまゆ玉を取り付ける作業をしていました。
「ほんだれ様」は稲穂が垂れる様子に見立てて飾りつけを行い、五穀豊穣などを願う上伊那の風習です。
向山さんが子どもの頃は150戸ほどある富田の多くの家で「ほんだれ様」を飾っていたということですが、現在は向山さんの家を入れて3戸ほどしかないということです。
向山さんは、父親から教わった、地域に伝わるやり方で毎年ほんだれ様を設置しています。
ヒノキの土台にミズブサと呼ばれる木を設置し、まゆ玉や稲穂に見立てた皮をはいだヌルデの枝を取り付けます。
豊作を願ってクワなどの農機具を、山仕事の安全を願ってノコギリやチェーンソーを供えます。
また「病魔をさける」という語呂から酒も供えます。
向山さん(76)は「今の時代はいろんな都合があるし、やるにもひと苦労なので大変だけど、伝統を残していきたいので続けています。神頼みで去年のような災害が起こらない一年になれば、と願います」と話していました。
向山さんの家では、20日にどんど焼きで燃やすまで飾り続けるということです。