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葛岡一枝さん(74)飯島町赤坂

原色ドライフラワーの県内唯1人の師範

葛岡一枝さん(74)飯島町赤坂

 「生花の美しさが半永久的に色あせず、姿形もそのままに」-。現在、飯島町文化館エントランスで「早春」をテーマに「原色ドライフラワー&プリザーブドフラワー展」を開いている。15日まで。
 完全乾燥させ、湿気を嫌う原色ドライフラーはガラスケース入り。ケースの中で、シンビジウムやカトレア、バラ、クリスマスローズなどが艶やかに咲き誇る。
 花の色を薬剤で脱色し、好みの色に染め上げるプリザーブドフラワーは、自然界には存在しない濃茶や濃緑色、くすんだ黄色などミステリアスな花色が魅力。
 1931年東京生まれ、小学校卒業と同じに縁故疎開で埼玉県新座に。機銃掃射の中をかいくぐり、防空ごうに生き埋めになるなど、命がけで府立女学校に通い、両親が教職で「これからの女性は手を職を」の言葉に従い、学芸大学に進学、卒業後は小学校教諭に。30年間勤め、定年を待たず退職。「教え子が同級会に招待してくれるのが、1番うれしい。りっぱになった教え子を見ると感無量」。退職後、カルチャースクールで原色ドライフラワーに出会い「自然乾燥のドライフラワーは色もあせ、形もクシャクシャだが、まるで生花のようだ。自由にアレンジでき、創造性豊かな作品ができる」とすっかり、のめりこんだ。
 日本ドライフラワー研究会東京支部の今田赫子さんに師事、94年師範になり、前後して、永住の地を飯島町に求め、同町で教室を開いた。
 原色ドライフラワーは生花をシリカゲルに2週間埋設し、ドライアップした花を取り出し、花器に見合うようにアレンジし、グラスの中に密閉する。「花が開きかけた1番良い状態の時に切り取り、すぐ加工することがボイント。1番好きなのはカトレア、作りやすいのはバラ」とか。
 原色ドライフラワーは黄色と緑が退色してしまうことが最大の欠点。5年前「黄色のヒマワリ、緑の葉をドライフラワーにしたい」がきっかけで、プリザーブドフラワーを学んだ。
 プリザーブドとは「保存された」という意味。特殊な溶液で、脱水、脱色させ、着色料、オーガニックなどを混ぜた薬剤を花の力によって吸い上げ特殊加工したもの。瑞々しくしなやか、花びらはソフトで、見た目はほとんど生花と変わらない。
 花の里、飯島町にはバラやラン、アルストロメリアと花の生産者は多く、必要な花材には事欠かない。「Iターンで10年前から飯島町民になった。景色と空気はいい、人情厚く、花いっぱい。本当に飯島に来て良かった」と笑顔。二女と2人暮らし(大口国江)

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