高遠藩の借用書 宮田で発見
明治時代の初め、財政が苦しかった高遠藩が駒ヶ根市出身の実業家・田中平八から五千両を借りたことを証明する古文書がこのほど発見され、3日にお披露目されました。
この日は、宮田村の宮田村民会館で報道向けに古文書が公開されました。
明治3年・1870年、財政が苦しかった高遠藩が、東京証券取引所の立ち上げに関係したとされる駒ヶ根市出身の実業家・田中平八に宛てた借用書です。
その金額は五千両。現在の金額にして、およそ1億円にあたるということです。
これは、宮田村で代々造り酒屋を営んでいた代田家の蔵からみつかったものです。
平成28年から29年にかけて代田家が宮田村に寄贈した骨董品などの中にあったものです。
代田家は借用契約の保証人になっていたということです。
宮田村古文書整理室の池上和子さんは「小さい藩だが城があって江戸にも屋敷があり、家来も大勢いた。逼迫した状況が積み重なって、最終的には火の車という状態が続いていたのではないか」と話していました。
宮田村文化財担当係の小池勝典さんは「著名な田中平八が、高遠とつながりがあったということを証明する非常な貴重な資料。こういったものが宮田村にあるということを知ってもらいたいし見てもらいたい」と話していました。
今回見つかった古文書などは、14日から宮田村民会館で開かれる展示会で一般に公開される予定です。