「お客さんと一緒に成長していきたい」
美容室「Ringa」店長 石井祐二さん(28) 伊那市境
昨年12月末、伊那市美篶末広に「Ringa(りんが)」をオープンした。今まで培ってきた経験のなかで、自分の理想をカタチにした美容室。「きずな」「循環する」「角がない」などの意味を持つ店名は、「お客さんと互いに認め合える信頼関係をつくりたい」という思いが込められいる。
お客さんを主体とした考え方は機材や薬剤の選び方からもうかがえ、アルカリ成分を除去することでパサつきを抑えるシャンプーを使用するなど、髪が痛むのを軽減してくれるのが魅力。大きな窓から日の光が差し込む店内は、くつろぎのスペースになっている。
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実家の母親、兄が理容師、美容師だったから竏秩B高校卒業後は自然と、美容師の専門学校へ入学した。学校では教科書通りの勉強に退屈感を感じてはいたものの、店でスタッフとして実践を積むなかで、楽しさ(魅力)を知っていったというのが本音だという。
現在の自分を形成しているのは、今まで一緒に働いてきた人たちやお客さんとの出会いなどの経験。ある先輩スタッフからは、指導のなかで基本技術の大切さや仕事に取り組む姿勢などを学んだ。技術を安定させた上で、自分なりの個性を出していけることが今の自分を支えている。
その代わり、指導方法は手厳しかったという。仕事中にお客さんへの意識が散漫になっていたり、課題発表で練習量が認められないときは、すごいけんまくで怒号が飛んだ。言い合いの喧嘩にもなったというが、自分を育ててくれているという気持ちが伝わってきていたという。
「自分から逃げてばかりいるとズルをしようと考えてしまうことを見透かされ、すごく怒られた。お客さんを大切にすることなどの人間的な部分や、技術面でも多くの影響を受けた」
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初めて自分の店を持つことでうまくいかないこともある。しかし、その対策は「来てくれたお客さんに対して、一生懸命やるだけ」という結論にたどり着く。お客さんと一緒に、お店も自分も成長していきたいのだという。
自分の理想を少しづつカタチに作り上げ、次のステップへの地盤を築く目的のため、懸命に働く。自分で期限を設け、大きな目標のなかの小さな目的を少しづつ達成していきたい竏窒ニ、その口調は静かだが、確かな目の輝きを見せている。