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信大・家畜用分娩監視遠隔通信装置の開発

信大・家畜用分娩監視遠隔通信装置の開発

 信州大学農学部食料生還学科の松井寛二教授を中心とする開発グループはこのほど、磁気を使った家畜用分娩(ぶんべん)装置の試作の実験に成功した。産学官が連携して開発グループを構成。今後は、小型化、機能の充実を図りながら、市場調査、ビジネスモデルの確立を進め、07年度の実用化を目指す。
 上伊那の畜産農家を対象とした調査によると、難産や逆子などのトラブルで出産時に子牛が死亡するケースは約7、8%。ほとんどのトラブルは、人間の手助けで解消できる問題であり、現在は出産間近に泊り込みで分娩を監視するなどして、対応しているが、農家にかかる労働負担は大きい。
 現在も、家畜の膣内にセンサーをつけて分娩を知らせる遠隔通報装置はある。しかし、家畜の体にかかる負担は大きいだけでなく、装着は獣医などの専門家しかできない作業であり、実用性は低い。
 松井教授らの磁気センサーを使った装置は、体外から外陰部の収縮を感知し、出産を知らせるものであり、家畜の生体を傷つけることがない。センサーはマッチ棒ほどの大きさで、誰にでも簡単に装着できるだけでなく、さまざまな家畜動物に対応させることが可能だという。センサーからの情報が専用の無線に送られ、そこから携帯電話などに発信される。
 プロジェクトは科学技術振興機構の「独創的シリーズ展開事業・大学発ベンチャー創出推進プログラム」の05年度採択を受け、07年度までに年間で最大5千万円の資金供与を受けることができる。

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