中尾歌舞伎保存会 地域文化功労者表彰を市長に報告
伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会は、永年にわたり農村歌舞伎の保存と継承に尽力し、地域文化の振興に貢献しているとして、文化庁が行う今年度の「地域文化功労者表彰」に選ばれました。
県内で表彰された団体は唯一です。
18日は、中尾歌舞伎保存会の西村篝会長と、後援会の中山晶計副会長が市役所を訪れ、白鳥孝市長に受賞を報告しました。
保存会は、伊那市無形民俗文化財に指定されている中尾歌舞伎を後世に残していこうと、春と秋に定期公演を行うなどの活動を続けています。
中尾歌舞伎は、江戸時代に旅芸人が中尾地区にある神社で演じたのが始まりとされていて、戦前までは地区の有志で演じられてきたということです。
その後、太平洋戦争がきっかけで途切れていたということですが、昭和61年に当時の有志らで復活させ、平成元年には保存会が設立されました。
以来、会員の減少や後継者不足などにより活動を休止していた時期もありましたが、現在は再開しています。
保存会の活動を応援しようと、2018年には後援会も設立されました。
白鳥市長は「受賞を励みに、長谷に伝わる芸能文化として今後も継続していってもらいたい」と話していました。
「地域文化功労者表彰」は永年にわたり地域の文化振興に功績のあった個人や団体に対して文化庁が表彰するもので、今年度は全国で74の個人と17の団体が選ばれました。
なお、今年4月に予定されていた中尾歌舞伎春季定期公演は新型コロナウイルスの影響で延期となっています。