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NPОかつら理事長、延寿院住職、伊佐栄豊さん(60)、

中川村葛北

NPОかつら理事長、延寿院住職、伊佐栄豊さん(60)、

 NPОかつらを立ち上げ、中川村かつら保育園舎を全面改装し、昨年10月宅老幼所かつらを開設した。5カ月が経過し「事故がないのが1番うれしい。利用者の家族からの便りではいいことばかり書かれており、クレームがない」とほっとしている。
 デイサービスなどの利用者は平均5人余で、目標の8人までには届かない。「責任者が事務と兼任で、管理者としての仕事ができるようにするなど、1日も早く、体制が整えたい」。
 かつらは介護保険適用の通所介護(デイサービス)を中心に、生きがいデイ、配食サービス、利用者のナイトケア、介護相談、未就学児の1時預かり、寺子屋塾などを運営する。
 かつらの最大の特色は、理事長が延寿院の住職であること。「こたつで法話」、「座禅」「寺参り」などかつらでなくてはできない「癒し」のメニューが豊富。大鹿村かも沢からタンクで汲んできた温泉を使う風呂もウリの1つ。「延寿院前で車がパンクし、困っていた人に手を貸したことが縁で、提供していただいている」。
 1週間約20食とまだ利用は少ないが配食サービスも好評だ。献立は高齢者の嗜好に合わせ、薄味で健康に良いもの、汁物も温かくして届ける。配達時と容器回収時にはかならず、利用者に声を掛け、安否確認もする。
 子ども向けと大人向けの寺小屋塾も人気。第2、4土曜日の午前中の子ども対象の寺子屋塾ははじめに本堂で20分間の座禅がある。「最初は退屈し、もじもじしていた子どもたちも、今では呼吸があうようになった。座禅の修養から子どもたちの心の中に、精神的な支柱ができれば。群れ(異年齢集団)の中で社会のルールや思いやり、優しい心が育まれれば」と期待は大きい。
 一方、木曜日の夜開く大人の寺子屋塾では地域の婦人らが「お茶の作法」「のし袋の書き方」「写経」などを楽しむ。
 ◇◇◇
 1945年、13代住職の唯1人の男子に生まれ、仏教系の大正大学社会学科に進み、カウセリングを学び、教誨師になり、2カ月に3回、多摩少年院を訪問した。「昔は貧困や能力が低い子どもたちが非行に走ったが、今は中流家庭が多い。少年院に入ってくる子どもといえば、凶悪な子どもと思われがちだが、優しい子どもばかり。世間から邪魔にされたり、家庭が崩壊している子どもが多い」。
 大学卒業後、空手協会指導員を経て、八王子の高尾山に修業に。「朝午前5時30分起床、職員として事務をこなし、午後4時30分から翌朝の午前5時30分まで365日厳しい行を行った」。86年、先代住職が亡くなり、帰郷し14代を継いだ。
 僧侶としての奉仕活動は、インドネシアの日本人墓地に年2回、1人で慰霊の旅をする。インドに帰化した仏教の弟弟子の支援活動にも励む。伊那谷を中心に約4千人の信徒を抱え、毎月8と5のつく日は祈とうに勤しむ。
 妻と母の3人家族

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