県宝・木造仁王立像2体守る仁王門立て直し検討
伊那市西箕輪の仲仙寺
伊那市西箕輪羽広の天台宗・仲仙寺の氏子総代会(鈴木伸一郎会長、16人)は13日、昨年9月に県宝に指定された木造仁王立像2体を守る仁王門の老朽化について「3年の間に建て替えの具体的方法を結論づけたい」と発表した。
同総代会では10年ほど前から、門の劣化による雨漏り、ひさしが短く風が直接的に吹きつけるなどの理由で建て直しを検討。今回の県宝指定を機に本格的に取り組むことを役員らで確認した。
仲仙寺の師田香雪住職(58)は門について「大切な県宝を守るためには少し難しい状態。建て替えすることを目標として、総代会で方向づけしたい」とした。
仁王門は江戸時代(師田住職推測)のクリの木づくり。高さ4・5メートル、幅7・4メートル、奥行き3・9メートル。壁などの修復などはされてきたが、柱のつくりは当時のまま。屋根のはりは幾度もの修復作業により原型よりも短くなっているという。
総代会では新築の検討に向けて今月6日、県内にある最近作り直された2カ所の寺の仁王門を建築専門家と共に視察している。
今後は伊那市や県に仁王門の劣化状態を伝え、新築に向けての相談をしていきたいという。
木造仁王立像2体は室町時代の1501(文亀元)年に作られ、仏工は雲慶法印の10代目の弟子になる康忠法眼。ともに高さは255センチで県内で最大級の大きさだという。
同市では1972年に市有形文化財(彫刻)に指定している。