井上井月の新句を発見
幕末から明治にかけて伊那谷を放浪した俳人 井上井月について研究している井上井月顕彰会は、井月の直筆と見られる新たな句が見つかったと30日発表しました。
こちらが新たに発見された井月の句「湧て出る水音かろし白躑躅」です。
晩春の季語ツツジが使われていて、「軽快な水音が心地よく感じられる季節だ」という内容です。
諏訪地域の古物商が扱っていた掛け軸で、井月顕彰会が保存し研究を進めていました。
30日は井上井月顕彰会が記者会見を開き、鑑定を行った井月研究者の一ノ瀬武志さんが説明しました。
掛け軸は、井月顕彰会から伊那市創造館に寄託されました。
創造館では、近く館内に展示するということです。
30日はほかに、新たに飯島町の民家から発見された井月直筆の2句も発表されました。
「萬歳や人が笑ひば言得顔」と「しぐれても中々ぬくき菴かな」の2句です。
このうち、「萬歳や」の句は、正月の出し物で漫才師の得意げな顔を詠んだもので、似た句はあるものの「言得顔」の表現が新しいということです。
この2句の掛け軸は、発見された飯島町の民家に保管されているということです。
顕彰会では今後も井月の資料の掘り起こしをしていきたいとしていて、広く情報提供を呼びかけています。