旧馬島家住宅 県宝指定20年講演会
伊那市高遠町にある「旧馬島家住宅」が、県宝に指定され20年を迎えることを記念した講演会が、きょう、開かれました。
旧馬島家住宅は、江戸時代に高遠藩の眼科医を務めた馬島家の住宅で、当時の医師の住宅があまり改造されずに現存している全国的にも珍しい建物です。
23日は、旧馬島家住宅のある伊那市民俗資料館で、記念講演会が開かれ、高遠町歴史博物館学芸員の福澤 浩之さんが講演しました。
福澤さんによると、馬島家は享保12年(1727年)に眼科医として高遠藩に召し抱えられました。
上級藩士と同等の給料が与えられ、その後何代にもわたり、眼科医として地域に貢献してきたということです。
講演の後には実際に、旧馬島家住宅を見学しました。
医師宅の特徴として、土間は通常の半分とし診察室として使われていた下座敷のあかりが確保されていることや、患者たちが出入りするしきだいが設置されていること、薬の調合室が残っていることなどが珍しいということです。
また、中座敷には、福を招くとされるコウモリ型の釘隠しがあり、珍しいということです。
旧馬島家住宅は、現在、歴史資料の展示会場などとしても活用されていて、福澤さんは、「活用することで状態良く保存していきたい」と話していました。